「エンドウ豆は、ロースト感やナッツの風味感、コクがあります。キャロブ豆は酸味やフルーティーな味わいが特徴です。
2つが合わさることで、科学的にもココアパウダーに近しいバランスになっています。チョコレートに近い印象を楽しんでいただけるのではと思います」
特集班でも実際に食べさせてもらったが、甘いミルクチョコレートのような味わいがした。豆の香ばしさもあり、とてもおいしい。言われなければチョコレートだと間違えてしまいそうなほどだ。
代替ではなく「新たな選択肢」として
ちなみに、アノザMの商品名は「“もう一つ(Another)のミルク(M)チョコ”として、世の中に浸透してほしい」という願いが込められているそう。
「人がチョコレートを食べるのは、“幸福感を求めているから”だと考えています。アノザMも、食べたときの幸福感というのを重視して開発しました。
また食べたいなと思っていただける、チョコレート以外の“新たな選択肢”として認識してもらえると嬉しいです」
そして最後に、「これらはチョコレートの需要を減らしたいわけではありません」と強調する。
「代替チョコレートを市場に出している目的は、将来的にカカオの需要と供給の安定につなげることです。カカオ以外の選択肢を用意することで、チョコレート価格の安定を図り、産地の農家の生活を支えることができればと思っています。
そのためには、消費者に選ばれる商品を作ることが大切です。“おいしさ”を追求して作っていることを、皆さまに広く知っていただきたいですね」
代替チョコレートは単なる「代替物」ではない。チョコレートが抱える課題に一役買っている存在になる可能性を秘めている。コンビニやスーパーで見かけて気になったら、試しに手に取ってみてほしい。
