「油ならしをする度に素材の色が少しずつ変化していきます。素材がマットな見た目から、均等にうっすらした光沢が出てくるといったらいいのでしょうか。
油膜の層を厚くしていくことによって、さびや焦げ付きにも強くなり、徐々に使いやすくなります」
鉄フライパンを洗う際は、油膜を剥がさないよう、たわしを使ってお湯で洗うのが基本。汚れがひどい場合は洗剤で洗ってもよいが、その後しっかり乾かしてから、再度油ならしをしてほしいとのことだ。
ゴキブリを引き寄せるのは本当?
そんな鉄フライパンにまつわる“うわさ”の一つに、「ゴキブリを引き寄せる」というのがあるのをご存じだろうか。使用している人なら聞いたことがあるかもしれない。
ゴキブリは油を好むことから、油ならしでコーティングした鉄フライパンに寄ってきてしまうということらしいのだが、メーカーの見解はどうなのか。
「当社としましては、フライパンの油膜が直接的な原因ではないと考えています」と、藤江さん。では何が原因なのか?考えられることとしては2つあるという。
(1)フライパンにこびり付いた「食材の調理カス」
そもそもゴキブリは雑食性。洗い落とせずにこびり付いた食べ物のカスに狙って寄ってくる可能性。
(2)酸化した油の「臭い」
油は長い間空気に触れていると酸化していき、発する臭いも強くなる。ゴキブリはその臭いを敏感に感じ取っている可能性。
特に(2)は注意してほしい。油ならしをした後に放置しておくと、油の臭いが強くなるのは免れないという。
「実際、弊社でも『しばらく使っていないオイルポットにゴキブリが寄ってきた』という事例も確認しております」
どちらも、“油を長い間空気にさらしている”のが共通していえるとのこと。その結果、酸化した油が臭いを発するようになり、ゴキブリを誘引してしまうことが考えられるのだ。
寄せ付けないための対策は
では、ゴキブリなどが寄ってこないようにするにはどうしたらよいのか。
