高市早苗新首相は、日本で女性初の宰相というよりも、“ヘビーメタルのドラマー”として世界に知られそうだ。

米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は21日、「日本に新たな指導者──彼女はヘビーメタルのドラマーだ」と伝え、9日の英紙ジ・エコノミスト電子版は「“火の玉を迎えよ──日本の新指導者・高市早苗」と題し、「ヘビーメタルを愛する彼女はサッチャーの崇拝者でもある」と紹介した。

BBCも21日「ドラムをたたき、サッチャーを愛する日本初の女性首相」、CNNも21日「日本の新しいリーダーはストレス解消のためにドラムを叩く」と報じ、いずれも政治家というより“異色の文化人”として描いている。

さらに、ヘビーメタル文化とは縁遠いと思えるインドの有力紙タイムズ・オブ・インディアまでもが4日の電子版で、「元ヘビーメタル・ドラマーが日本初の女性首相へ」と報じた。
宗教観も価値観も異なる国々にまで響いたのは、単なる話題性以上の意味を持つ。世界のメディアは、女性首相誕生という政治的ニュースよりも、「ドラムをたたく日本女性」という文化的衝撃に反応したのだ。
日本女性の固定イメージを打ち破った高市首相
ヘビーメタルとは、1970年代の英国で生まれたロック音楽の一形態で、ギターとドラムが激しく絡み合い、音圧とリズムの奔流が観客を圧倒する。暴力的にすら聞こえるサウンドの裏には、抑圧に抗う自由や自我の解放といった精神がある。

この音楽を“自ら演奏する”日本の女性政治家が登場したという事実は、海外にとって大きな驚きだったに違いない。日本女性は控えめで従順──そんな固定観念に覆われたイメージを、高市首相は力強いドラムスティックで打ち破った。
西側メディアが“ヘビーメタル首相”という異名を面白がりながらも、温かい眼差しで報じる背景には、日本社会に新しい女性像が芽生えたという驚きと期待があるようだ。
政治的な緊張和らげる効果?
また、こうした報道には高市首相にとって好ましい政治的副作用がある。