さまざまな種類が出ているフライパン。皆さんは、「窒化鉄フライパン」をご存じだろうか。
鉄フライパンの良さを生かしつつ、比較的お手入れが簡単なのが特徴。これを使えば、手軽に普段の料理がぐっと美味しくなるのだとか。
窒化鉄とはどんな素材?鉄フライパンとの違いはある?フライパンの製造販売を手掛ける調理用品メーカー「和平フレイズ」の藤江里美さんに窒化鉄フライパンについて教えてもらった。
窒化鉄はさびに強い
「窒化鉄」はあまり聞きなじみがないが、そもそもどういうものなのか。
「鉄と窒素を化学反応で融合させた素材になります。これにより鉄にごく薄い窒素膜が張られるようになり、非常に硬い強い膜が形成されています。この窒素膜はコーティングとは異なり剥がれることはありません」
元々は、自動車産業や建設等、鉄の利点を生かしながらさびを防止するために生まれた窒化鉄。そのことから、“硬く・さびに強い”というのが大きな特徴だ。
それが業務用フライパンに導入されるようになり、2000年代中盤から次第に家庭用としても広まるようになったという。
鉄フライパンよりお手入れが楽
窒化鉄フライパンは、鉄のデメリットである“さびやすさ”を改善したものといえるが、性能は基本的には鉄フライパンと同じ。ただ、お手入れの手間が少し違う。
鉄はさびの発生リスクを減らすためにフライパン全体に油を塗らなければならないが、窒化鉄もその必要があるものの、一部のみでOKなのだ。
「鉄のフライパンの場合は、調理物に触れる内面だけでなく外面も油を塗らなければなりませんが、窒化鉄ですと内面のみで大丈夫です。
このことから、鉄フライパンを使いたいけどちょっと手入れが大変だなと感じている方にぜひお使いいただきたい素材になっています」
