火災発生時、被害を最小限に抑えるには初期消火と迅速な避難が不可欠だ。宮崎市消防局は「炎が天井に達したら消火活動をやめ、すぐに避難を開始してほしい」と話す。消防隊は現場到着後、火災の規模と自隊の消防力を比較し、鎮圧を目指すか延焼防止に重点を置くかを判断するという。消火栓の利用を妨げる駐車問題も指摘されており、市民の協力が求められている。
火災拡大を防ぐ初期消火の限界
火災発生時、被害を最小限に抑える上で最も重要となるのが「初期消火」だ。宮崎市消防局予防課の川越千晃さんは、初期消火が可能なのは、「火が燃え上がって間もない段階まで」と指摘する。

そして、「炎が天井に達したら消火活動をやめてすぐに避難を開始してください」と、消火活動から避難への切り替えタイミングを強調した。
避難時の行動が被害を左右

延焼による被害を最小限に食い止めるためには、避難する際に可能な限り戸や窓を閉めることも有効だ。これにより酸素の供給が抑えられ、延焼のスピードを遅らせることができるという。

また避難する際は、タオルなどで口や鼻を覆い、姿勢を低くして移動することが推奨される。これは、煙を吸い込むことを防ぎ、安全に避難するための基本的な行動だ。
消防隊の判断基準と消火栓問題

現場に到着した消防隊は、火災の規模に対して、消防隊員や車両の数、さらには消火栓などの水利施設を含めた総合的な消防力が「優勢」か「劣勢」かを判断する。消防力が優勢な場合は、火災の鎮圧を目指した戦術が取られるが、劣勢の場合は、延焼防止に重点を置いた活動に切り替える。

消火栓の利用に関する問題が指摘されている。消火栓の上に車が駐車されている場合、本来使用したい消火栓が使えず、離れた場所から水を引き、消火活動を行わなければならない状況が発生する。

これは消火活動に遅延を生じさせる可能性があるため、「市民の皆さんも消火栓の上に駐車しないでください」と、市民への協力を呼びかけた。
(テレビ宮崎)