8月の記録的大雨で、坪井川や井芹川が増水した際の熊本市の対応を検証する2つの委員会が10月27日に開かれた。サイレンを鳴らすのが遅れた問題については、マニュアルの抜本的な見直しやサイレンの自動吹鳴などが検討されている。
吹鳴マニュアルの抜本的見直しと自動化
8月の記録的大雨の際の対応をめぐっては、熊本市で『サイレンの遅れ』と『排水ポンプ場停止』についての2つの検証委員会が設置されている。

『サイレンの遅れ』について、熊本市は前回の委員会で「吹鳴の基準があいまいだったため、職員の認識に違いが生じ鳴らすのが遅れた」と報告。

10月27日に非公開で開かれた2回目の会合では、今後、危機管理担当の職員が中心となって現状のマニュアルの抜本的な見直しを行うことや、地域と連携しサイレンの吹鳴訓練を行うことなどが審議されたという。

委員会の澤田道夫会長(熊本県立大学総合管理学部教授)は「今回、(サイレン吹鳴の)基準がなかった部分については、基準をつくって対応していく。サイレンの自動吹鳴も検討されている。〈この水位を上回ったら自動的にサイレンをならす〉という対応も、ぜひするように」と述べた。
ポンプ場停止の原因は安全装置の稼働
一方、『排水ポンプ場停止』についての検証委員会は坪井ポンプ場などの機能停止の原因を特定。

設備の浸水や漂流物の侵入で安全装置が稼働したことが原因だったという。『サイレン』は11月中に市長に答申。『排水ポンプ場』は11月に中間答申、2026年3月末までに最終答申を行う予定だ。
(テレビ熊本)
