これから資産形成を始めるなら“安定の貯金”か“伸びしろの株”か、それとも“金”か。物価上昇や円安など将来への不安が続くいま“金”という選択肢が注目されている。売り時なのか、買い時なのか、取材した。
株式、金、それとも貯蓄?資産形成の選択
田島嘉晃アナウンサー:
街ゆく人たちは、これからの資産形成をどう考えているのでしょうか?株式・金・貯蓄、この3つのどれに力を入れたいかを聞いてみます。

“株式派”の声:
「このまま順調に上がってくれればいいが…長期で保有する前提なので、少しくらい下がってもいいかな。物価も高いので現金で置いておくよりはいい」
「子供たちの学費に充てたい。最近インフレがすごいのであまり貯蓄は意識していない。現金の価値が目減りしている」
「安くても伸びそうな株があるかもしれない。年金が十分にもらえるか分からないから、 自分で老後のために株式をしている」

日経平均株価は、このところ史上最高値を更新。市場には今、“株で増やす”という選択を後押しするムードも高まっています。
金が「最高値」で選ぶ人が増加
そんな中、街中ではこんな声も―
「ゴールドほしいですね。金は高くなっているし、あまり価値が下がらないイメージがある」

金の価格はここ数年、じわじわと上がり続けてきた。24日現在の価格は1グラムあたり1万9808円で、これまでの最高値を更新した。
アメリカの利下げが意識されていることや円安も後押しし、金を「身近における資産」「将来への備え」として見直す動きが確実に広がっている。

福井市にある老舗ジュエリーショップ「TAKEUCHI BRIDAL 福井・開発本店」では、金のネックレスの価格が2年前のおよそ60万円から現在は120万円と、ほぼ2倍になっている。

店では「金の価格高騰で買い控えが予想されていたが、むしろ1年前の2倍、それ以上という感覚がある」との声も聞かれる。
「確実に上がりそうな金に変えているのが現状。金塊はもちろん、身につけられる金製品を楽しみながら資産にしている人も多い」という。

気になる今後については「緩やかに上昇していくだろうという見方は強いが、専門家でも判断は難しい。戦争やテロ、インフレで金相場は上昇する傾向があるが、アメリカ経済や株価が安定すれば下がるとも言われている」と話す。
それでも「長期的には確実に上がるのではないか」とする。
「今が売り時」か―高騰を受けて動く人も
金の高騰を受け、「今が売り時」と考える人も増えている。

宝飾品買取店「おたからや 福井アピタ大和田店」では、「8月末ぐらいから来店数が2倍、3倍に増えている」という。持ち込まれるのは、「使わなくなったアクセサリーや、石の取れてしまった指輪・ネックレス」など。

見せてくれたのは、14金のホワイトゴールドの指輪。石は取れてしまっている。「形が綺麗でなくても、純金でも18金でも14金でも、金であればOK」だと店長。金製品は、新品でなくても「昔から家にあるもの」や「壊れたアクセサリー」も価値を持つという。

金価格の高騰で、今売って大きなリターンを得るか、そのまま持ってさらに価格上昇を待つか。
「金の価格上昇がいつまで続くのか正確なことは言えないが、売るならなるべく早い方がいいのでは」としている。