コメの価格高騰を理由に、小泉農林水産相が次々と打ち出すコメ政策の見直し。これに対しJA県五連の宮田会長は27日の記者会見で「農家を不安にさせている」と不満を漏らし「消費者ばかりでなく生産者のことも考えてほしい」と主張した。

JA福井県の宮田幸一会長
JA福井県の宮田幸一会長
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概算金の廃止は「相場観がバラバラに」

小泉農水相は備蓄米を連続で放出した後、コメの作柄を示す「作況指数」の廃止や生産者に渡す前払い金「概算金」の見直しなど、コメ政策の方針転換を次々と打ち出した。
  
中でも「概算金」について小泉大臣は、JAが生産者からの委託販売ではなく直接、買い取る形にすれば委託手数料がなくなり、生産者の収入増加につながるとした。
 
これに対しJA福井県の宮田会長は「概算金はコメの価格を決定する上で重要な役割を果たしてきた。概算金を無くしてしまうと相場観がバラバラになってしまう。基本的には概算金を提示してコメの価格を安定させていきたい方針」と小泉大臣の方針に反発する姿勢を示した。概算金がコメの価格を下げないための防波堤になっているとして理解を求めた形だ。

福井県内のドラッグストアに並んだ“格安備蓄米”
福井県内のドラッグストアに並んだ“格安備蓄米”

「コメが2000円台で買えるという雰囲気は困る」

また、随意契約の備蓄米が放出され、全国のスーパーでのコメ5キロの平均価格が3カ月ぶりに3000円台に下がったことについては「やってしまったことは仕方がない。我々が心配するのは、せっかくコメの価格が30年ぶりに上がったのに、2000円台で買えるという雰囲気になってもらうと困る」と生産者側の見解を述べた。
 
さらに、こう危機感をあらわにした。
「農家のみなさん全部廃業ですわ。今の価格で行ったら」 
   
小泉大臣に対しては「消費者ばかりを向くのではなくもっと生産者の不安に寄り添ってほしい」と力を込めた。

JA福井県の定例会見(6月27日)
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福井テレビ
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