福井市の中心部に建設が計画されている「福井アリーナ」について、福井市議会の主要会派が12日、「市民不在の計画」だとして十分な説明などを西行市長に申し入れました。 なぜ、こうような事態となっているのか。議論の“ヤマ場”となる18日の予算特別委員会を前に、ポイントをまとめました。

◆経済界に“資金繰り”の詳細説明を求めるも―

9月市議会が開会した9月1日。
 
アリーナ整備後の運営見通しについて議会は、計画を進める経済界に対し、より詳しい“資金繰り”の説明を求めました。
 
マスコミには「非公開」で行われましたが、8日の一般質問で堀江廣海議員は「数字の羅列だけで、確証を得られるものではなかった」としました。
  
特にポイントとなっているのは、整備後の運営資金として経済界が見込む“毎年2億円の寄付・協賛”です。
 
同じく8日の一般質問で、市商工労働部の黒田慶廣部長は「確度が高いと説明を受けている」としましたが、経済界から受けた説明にとどまり、不透明な部分が多く残ったままでした。


◆市の負担額が増加

こうした状況の中で、さらに多額の追加費用が浮上します。
 
議会で西行市長は「現時点で総額としては事業費ベースで45~50億円。市の実質負担は約25~30億円を見込んでいる。にぎわいある街として発展し続けるためにも、しっかり前を向いて推し進めていく覚悟だ」と表明。
  
市は、アリーナ本体の約15億円に加え、周辺の再整備にさらに最大15億円がかかることを明らかにしたのです。


◆「市長は前のめり過ぎる」

これを引き金に、市議会は市側に“ボール”を投げました。

議会の4つの会派が、十分な説明責任や市が負担する費用の軽減などを西行市長に申し入れたのです。
 
最大会派「一真会」の青木幹雄会長は「収支計画の内容などについては明確な回答が得られず、極めて不十分な結果であった。(負担が)さらに膨らむことも容易に想定され、大変危惧しているところだ」としました。
  
その帰り際-
  
議員:「予特の時には、ビシッと。もう堂々と言ってもらえればいいから」
市長:「分かりました。はい。少しでも理解が進むようにしたいと思いますので…」
  
この後、報道陣の取材に対し青木会長は「いつの間にか市の負担額が15億、さらに周辺整備に10~15億と。さらりと言われても困る。(ここまでの議会で)賛成・反対の材料が出ていない、そんな印象。いずれにしても、申し入れに市長がどこまで答えるかにかかってくる」と話しました。
 
議員からは「市長は前のめり過ぎる」「他の道路は予算化が難しいのに、アリーナ関連は簡単に予算をつける。おもしろくない」との声も上がっています。
  
福井市議会でのアリーナの議論は、18日の予算特別委員会が大きな“ヤマ場”となり、注目されます。

福井テレビ
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