SNSなどの広告から注文できるステンドグラス細工のゾウのランプが、実際には光も通さない“別物”だったとして、購入者から「100円でも買わない」「だまされた」といった怒りの声が上がっている。連絡先が不明瞭で返品対応も不誠実。専門家は「特定商取引上の規定に違反している状況」と指摘する。

太陽にかざしても全く光通さず

SNSなどの広告から注文できるステンドグラス細工のゾウのランプ。

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しかし、届いた商品は似ても似つかないものだった。

今、こうした粗悪品を販売するステンドグラス販売トラブルを追跡取材した。

SNSには「え~全然違う!」「だまされました。ただのガラクタです」といった落胆の声が次々と報告された。

届いた商品は写真とは全くの別物で、太陽にかざしてみても全く光を通さない。

購入者が下から光を当ててみたが、足元が明るくなるだけ
購入者が下から光を当ててみたが、足元が明るくなるだけ

購入者が下から光を当ててみたが、ゾウの足元が明るくなるだけで、隅々まで色鮮やかに輝きを放っている商品写真とは似ても似つかない代物だった。

「ガラスではなくて樹脂」

「イット!」は、家族へのプレゼントとしてゾウのランプを購入したという男性に話を聞いた。

ゾウのランプ購入者:
インスタグラムの広告で出てきたんですよ。全然違うものが来てしまって…。元々の値段が4万円ですよと。割引で8000円くらいに。ちょっと欲しいなって思って。ガラスではなくて樹脂でできていて、100円でも買わんぞというのが送られてきた。

この商品を販売する企業のホームページには「私たち夫婦はブティックを閉めれずにいました。最大70%割引の特別セールをご用意させていただきました」というコメントが掲載されていた。

“特別セール”と銘打ち、ゾウだけでなくイヌやネコなどの身近な動物に加えて人魚や竜、さらに乗り物や帽子なども販売。

ホームページに電話番号の記載はなく、所在地は「横浜」とだけ記載され、カスタマーサービスのメールアドレスは送信できないアドレスだった。

返品用連絡先に問い合わせも「返品減らすことで環境にも貢献」

ゾウのランプを購入した男性は返品用の連絡先を見つけ、問い合わせた結果…。

販売元からのメッセージ
販売元からのメッセージ

ゾウのランプ購入者:
最初は「15%引きにするから手元に置いておきましょう」という内容で、それでも返品しますと言ったら、「30%分をお払いします。その代わりに60%分の商品券を送ります」と。あまりにもおかしいと思って。

さらに「返品を減らすことで環境にも貢献」など、あの手この手で返品を諦めるよう説得するような文章。

どうしても返品するなら送料などは購入者が負担するように記載されていた。

ゾウのランプ購入者:
僕が手数料を払うのはおかしいですよね。詐欺ですよね。

返品申請書には中国の住所が記載
返品申請書には中国の住所が記載

その後、男性のもとに届いた返品申請書には中国の住所が記載されていた。

「イット!」が電話をかけてみると…
「イット!」が電話をかけてみると…

「イット!」が電話をかけてみると、「規制」という表示が出てつながらなかった。

こうしたトラブルについて、橋下綜合法律事務所の溝上宏司弁護士は「電話番号であったり、住所であったり、記載がないように見受けられますので、特定商取引上の規定には違反している状況になっているかなと。(Q. 電話がつながらないのは?)形式的にはつながるんだけども、たまたま通話中、たまたま埋まっているだけ。形の上では責任を逃れながら実質的に連絡や責任追及を逃れる。そういう方法をとっている可能性が高いのかなと思います」と話した。
(「イット!」9月16日放送より)