コシヒカリの収穫が9月に迫る中、JA福井県は、生産者に前もって支払う内金、いわゆる「概算金」について、2024年よりも大幅にアップすることを決めた。
その額、コシヒカリは60キロあたり前年の1.7倍に当たる2万9000円。ハナエチゼンやブランド米・いちほまれの概算金も大幅に増額され、県産米の新米の店頭価格はさらに高値になる見通しだ。
高温障害や渇水で作柄不良
JA福井県は8月18日に臨時理事会を開き、集荷の際に農家に支払う県産コシヒカリの概算金を2024年産よりも1万1800円増額し、1.7倍に当たる2万9000円とすることを決定した。
その理由についてJA福井県は▼今夏の猛暑による高温障害や渇水による作柄不良や生産量の不足▼民間業者を中心としたコメ相場の高騰▼政府備蓄米の放出がなく米価の引き下げがないこと、を挙げた。

理事会では、県産のブランド米・いちほまれの概算金も2024年産より1万1800円増額し3万400円に決めた。
さらに早生のハナエチゼンに至っては、7月の理事会で決めた概算金2万3000円をさらに5000円増額し、2万8000円に変更することを決めた。
JA福井県が概算金の大幅な引き上げに踏み切ったのは、民間業者を中心とした新米の獲得競争の激化をにらんでいるからだ。
2024年以上の高値傾向が続く中、記録的な猛暑で、JAの想定を超えて関係者の間で作柄への不安が広がっていることが背景にあるという。

福井県内のコシヒカリの収穫は9月早々にも始まるが、2025年の新米価格は2024年以上の高値水準となることが予想される。