「最初に、混入していた異物がなくならないように保管してください。保管するものは、フリーザーバッグのようなチャックがついた袋に入れるようにしましょう」

異物が虫の場合、セロハンテープに付着させて保管する方法も考えられるが、これは異物検査の観点から推奨されていない。
「テープをはがす際に、異物の形が壊れてしまう可能性が高くなります。原形がわからないと、混入時期などの判断が難しくなるため、たとえ小さな虫であっても袋に入れて保管していただきたいです」
勘違いかも?SNSに上げないで
また昨今、混入した異物を撮影してSNSに掲載するケースも見かける。こうした行動に、浅沼さんは注意を喚起する。
「実際に検査をしてみると、異物ではなく原材料由来の物質や、野菜の細かい切れ端だったというケースは少なくありません。自分の勘違いである可能性は十分にあるのです。たとえ異物を発見したとしても、すぐSNSに載せるのではなく、メーカーや飲食店のスタッフなどに問い合わせていただいた方が良いと思います」
どれだけ精密な検査機器を使い、人の目を用いても、食品への異物混入発生数をゼロにすることは難しいようだ。大切なのは、異物を発見した後に、消費者や生産者がそれぞれどのように対処するかだ。異物混入が世間で話題になりつつあるいまだからこそ、冷静な行動を心がけよう。
取材・文=内山直弥