3月下旬から6月いっぱいまで続く新茶シーズン。お茶好きたちは「一番茶」だけでなく、「出物(でもの)」と呼ばれるレア茶を狙うといいます。

なかでも有名な「茎茶」「粉茶」「芽茶」の魅力を、大妻女子大学名誉教授の「お茶博士」こと大森正司さんに解説してもらいます。

そもそも「新茶」って何?

煎茶(緑茶)は一年の内、春から秋にかけて4回収穫されます。

そのうち、一番最初に摘み取って作られたお茶が「新茶」や「一番茶」と呼ばれ、以降だいたい40日~50日ずつ間隔を空けて「二番茶」、「三番茶」、「四番茶」が作られます。

南は九州の屋久島、種子島から北は青森まで日本各地で生産されていますが、出回るのは暖かい南方の産地の新茶から。

毎年3月下旬~4月上旬に屋久島の茶農家などから「走り新茶」として出荷されるのを皮切りに、桜前線と同じように徐々に北方の産地の新茶が出回り、6月いっぱいまで製造されます。

一番茶を心待ちにされている方が多い理由は、やはり味や香りの良さにあるのではないでしょうか。

一番茶の味と香りの良さは格別(イメージ)
一番茶の味と香りの良さは格別(イメージ)
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寒い時期を越えた新茶には、うま味成分であるアミノ酸の一種「テアニン」が豊富に含まれています。テアニンは日光に当たると苦み成分である「カテキン」に変わりますが、夏前に収穫される新茶には二番茶以降のお茶ほど多く含まれていません。

また、茶葉は気温が上がると繊維が増えて硬くなり、硬葉臭(こわばしゅう)と呼ばれる青臭い香りが強くなります。暑くなる前に摘まれる新茶には、この硬葉臭がなく爽やかな香りが楽しめるのです。

通が愛す「出物(でもの)」とは?

うま味が強く香りもよい新茶は毎年大変人気が高く、価格も100gでだいたい1000円ほどと高めで、なかには3000円近くするものもあります。

一般的な煎茶はだいたい100gで500円ほどですので、倍以上の価格になっているということです。