虫の混入の原因
「野菜に付いてきた虫が製造過程で洗浄しても落としきれずに見逃されてしまったり、生鮮野菜ではないフリーズドライの野菜についても、加工時に見落とされた虫がそのまま混入しているパターンなどもあります。あとは、一般消費者の人が食べている時に飛び込んでしまい、『もともと入っていた』というクレームにつながるパターンも少なくないと思います」

もともと入っていた虫なのか、食べるときに飛び込んだものなのか…。SNSでも議論が白熱することが多いが、実は検査をすればどちらの可能性が高いかわかるという。
「過酸化水素水を用いる『カタラーゼ反応検査』を行います。混入した虫に過酸化水素水をかけて泡が出た場合、その虫は加熱処理されていないことになります。したがって製造過程で混入したのではなく、消費者が食べる瞬間に偶然混入してしまった可能性があることがわかります。逆に泡が出なければ、その虫は加熱処理をされているということ。この場合は、食品を加工する段階で混入したと推測できます」
実際、異物検査の結果、混入した虫が特定の地域にしか見られない種類であり、製造工場で混入したものではないと明らかになったケースもあるという。

輸入されてきた食品も同様、製造過程では問題は見られなくても、輸送中に混入する可能性は十分に考えられる。
「もちろん、消費者に届く前にメーカーが品質管理を行なっていると思います。しかし輸入品の場合は、輸送中に食品同士が接触して包装に穴が開くリスクは十分にあります。その結果、カビが生えたり、穴から虫が入り込んだりする可能性はゼロではありません」
混入に遭遇した時の対処
たとえ小さい異物でも、体の中に入り込むと危険なものは数多く存在する。もし事前に異物を発見したときは、次の行動を取ってほしいと浅沼さんは言う。