目が小さく見えない選び方
メガネの度数が強い人は「目が小さく見える」「“瓶底メガネ”になってしまう」という悩みを抱えがちで、自分に似合うメガネを見つけにくい場合も多いだろう。
「メガネ店では薄型レンズをお勧めされることも多いでしょうが、度数が強い方が自分に似合うメガネをかけるには、薄型レンズにするよりもフレーム選びが大事です。ポイントは、目とフレームの中心をしっかり合わせつつ、レンズの横幅が小さなフレームを選ぶことです」
この2点を意識すると、同じ度数の同じレンズを使っても、「目の大きさ」「レンズの厚さ」はかなり変わってくるという。

実際に坂田さんが検証してみると、同じスペックのレンズでも、レンズの横幅が広いメガネでは、レンズも分厚くなっていて、目も小さく見えた。一方でレンズの横幅を狭めたメガネでは、明らかに目が大きく見え、レンズも最大3mm弱薄くなった。これはなぜなのか。
「日本人の『眼が悪い人』のほとんどは近視ですが、近視のレンズは中心がもっとも薄く、端にいくに従って分厚くなる形状です。この形状のレンズは、全体が厚くなるほど中心の目を小さく見せる性質が強くなります。そしてレンズ全体の厚さは、横幅が広くなるほど増していくため、横幅が広いメガネだと目がより小さく見えてしまうのです」

また横幅の広いレンズだと目の周囲の隙間が広くなり、“デルブーフ錯視”という「同じ大きさの円でも、大きい円に囲まれると小さく見え、小さい円に囲まれると大きく見える錯覚」が起こり、より目が小さく見えてしまうのだそうだ。

レンズの横幅を小さくすることで、レンズをより薄くして、なおかつ「目を小さく見せる錯覚」も起こしづらくしているわけだ。