害獣被害に悩まされていた農園を、たった一匹で守っている。そんな保護猫が、愛媛・松山市にいるのをご存じだろうか。

今回の主役、コタローくん
今回の主役、コタローくん
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それが、キジトラのコタローくん(オス・5歳)だ。偶然が呼んだ出会いと、看板猫としても活躍する仕事ぶりを、飼い主で農園の経営者でもある、松本頼明さんに聞いた。

「子猫を拾った」きっかけは知人の投稿

愛媛・松山市のイチゴ農園「まつもとファーム」では2018年ごろから、イタチやネズミがビニールハウスに侵入し、果実を食べられる被害に悩まされていた。

イチゴ農園「まつもとファーム」
イチゴ農園「まつもとファーム」

害獣にとってイチゴハウスは「ビュッフェ会場」だといい、食い破られた穴をふさいでも別の場所から入ってくる、まさに“イタチごっこ”。

侵入はほぼ毎日起こり、修繕費を含めると、毎月3~5万円ほどの出費が続いていた。そんな中、2019年8月にコタローくんと出会う。

出会った当時のコタローくん
出会った当時のコタローくん

きっかけは「段ボールに入れられ、捨てられていた子猫を5匹拾った」と知人がSNSに投稿した内容を、松本さんがたまたま目にしたこと。

「猫がいれば被害の抑止になるかもしれない」

ちょうどいい機会だと思い、投稿を見た翌日、子猫たちを見に行ったという。

縁起が良い“かぎしっぽ”だった

松本さんによれば「どれも可愛かった」が、1匹の子猫を抱き上げた時、しっぽの先が曲がっていることに気づいたという。縁起が良いと言われる“かぎしっぽ”だった。

尻尾は今でもトレードマーク
尻尾は今でもトレードマーク

「この子猫を迎え入れよう」と決めた松本さん。妻と名前を考えたところ、ニャンタロー、ネコタロー、ネコタと変わっていき、最終的にコタローに落ち着いた。