駅長として愛された猫が、2025年7月末に引退する。山形・川西町の「羽前小松駅」で活躍してきた、7歳のオス猫・しょこらくんだ。
偶然が重なった出会いと、今までの働きぶりについて、駅を管理・運営するNPO法人「えき・まちネットこまつ」の職員で飼い主でもある、細谷絵里子さんに聞いた。
車に「ひかれそうな」迷い猫だった
しょこらくんが羽前小松駅にやってきたのは、2019年4月ごろ。1歳ほどとみられ、車通りが多い駅前を歩き回っていたという。

迷い猫の状態を見かねた、タクシーの運転手から「あの子、このままだとひかれるかも」と連絡を受けた細谷さん。他にも心配の声があったことから「元の飼い主が見つかるまで、駅で保護しよう」と決めた。
駅にある事務室の扉を開けると、しょこらくんは自分から入ってきたという。

「窓口にどかっと座って動かなくなりました。最初から(猫駅長としての)素質はあったのかもしれないですね」
川西町の“町の花”の名前「ダリヤ」と、優雅なイメージから「ショコ・ラ・ダリヤ」と名付け、愛称で“しょこら”と呼ぶようになった。
町の人に愛され「猫駅長」に就任
元の飼い主さんを探している間も、駅でかわいい姿を見せていたしょこらくんは、町の人に愛される存在に。いつしか「猫駅長さんですか?」と聞かれることが増えたそう。

警察に届け出ていた拾得物としての期間が過ぎ、周りに推されたこともあって2019年10月、しょこらくんは猫駅長に就任。猫好きの細谷さんが飼い主となった。