物件を探すと、さまざまな希望や条件が出てくるもの。自分が住む場所に何を求めるか、優先順位をつけておくことも重要とのこと。

「今ではなく“来年の自分”にとっての優先順位です。例えば、子供が産まれる予定であれば、ベビーカーやおもちゃを置く場所を想定したほうがいいでしょう」
記事で紹介したチェックリストを活用しつつ、自分や家族が住まいに求める要素をピックアップすると、物件探しに役立つかもしれない。
物件探しでの「NGワード」
良い物件に出会うため、上野さんは「納得いくまで見るべき。毎日住む場所なので、妥協せずに探しましょう」と話す。
ただ、その際に言ってはいけないのが、「引っ越しは数カ月先を想定している」という言葉。
「数カ月先の入居となると、不動産会社も本腰を入れにくいものです。実際は数カ月先だったとしても、『いい物件があったらすぐにでも借りたい』という雰囲気で見に行くと、不動産会社もいい物件を提示してくれるでしょう」

また、内見の時間は「午前中」を指定するのがお勧めだそうだ。
「予約が取りやすいですし、1日で多くの物件を回りやすくなります。子供と一緒に行く場合は、食事や昼寝などの生活サイクルも考慮して計画してあげてください」
すべてのポイントに共通するのは「そこでの生活を想像すること」。日々の生活を振り返ると、理想の物件を見つけやすくなるだろう。
上野典行(うえの・のりゆき)
慶應義塾大学法学部を卒業後、株式会社リクルート入社。求人広告の営業・制作を経験の後「リクルートナビ」を開発。現在の「スーモ(SUUMO)」も含めた商品・事業開発責任者に従事する。2012年1月より、不動産業界のコンサルティング会社「プリンシプル住まい総研」所長を務め、講演・執筆活動をしている。
取材・文=有竹亮介