バランスは自由でも現金は必要

ただし、これはあくまで目安なので、投資と預貯金のバランスは、自分が不安を感じず生活に影響が出ないための比率で決めてかまいません。9対1で大丈夫な人もいれば、7対3、5対5、4対6、2対8など人により様々でしょう。

現金と投資資金のバランスは生活に影響が出ない範囲で(画像はイメージ)
現金と投資資金のバランスは生活に影響が出ない範囲で(画像はイメージ)

もし、預貯金が少ないなら、新NISAでの積立投資と並行して、銀行の定期預金を自動積立に設定して預貯金の残高も増やしていきましょう。

また、ほぼ投資100%でいいと思っている人にも預貯金は必要です。なぜなら、投資は究極、安いところで買って高いところで売ることで差額が利益になり、暴落は株を買う最大のチャンスでもあるからです。すぐに使える預貯金がなければチャンスを逃します。

併せて考えたいのが投資商品の選択です。投資商品によりリスク度=値動きの幅が異なるからです。

値動きを抑えたいなら

8月に暴落したのは日経平均株価です。日経平均株価は、日本を代表する225社の株価の値動きを指数化したもの。つまり225社の株に分散投資をしているのと同じです。

個別の株価とその値動きはそれぞれに異なります。225社のうちどれかが値上がりしているときに別のどれかは値下がりしているかもしれない。それらが合わさって日経平均株価になります。

日経平均株価は約3カ月で暴落から回復しましたが、個別の株の中には下がったままのものもあるでしょう。個別の株価は、原則その会社の業績を反映します。

一方、平均株価はその国の経済成長を反映します。長い目で見たとき、波はあるものの国の経済は成長していくという期待の上に投資は成り立ちます。

個別株よりも指数に連動する投資信託がお勧め(画像はイメージ)
個別株よりも指数に連動する投資信託がお勧め(画像はイメージ)

値動きが大きすぎると不安になる人は、個別の株ではなく日経平均株価などの指数に連動する投資信託を長期に持つ方法がいいでしょう。

それでも、2024年8月は大きな値下がりでした。さらに値動きを小さくする方法としては、債券が入った「バランス型」の投資信託を使う方法があります。債券は株よりも値動きが小さいので、株と組み合わせることで全体の値動きを小さくする効果があります。

新NISAのつみたて投資枠で選べる投資信託にはいろいろなバランス型が揃っています。債券と株式の比率を確認して債券の比率が高いバランス型投資信託を選ぶと、より値動きが小さくなります。