新NISAが始まって1年がたとうとしている。
今年は8月に歴史的な株価暴落が起こったほか、衆院選、米大統領選、総理大臣指名選挙など株価を左右するイベントが多かった。
激しい値動きに「自分の投資はこのままでいいの?」と不安になった人も少なくないだろう。
見直しのポイントをファイナンシャルプランナーの坂本綾子さんに解説してもらった。
投資だから値下がりすることもある…。分かった上で始めていても、2024年8月に株価が大暴落したときは、「このまま続けていいの?」と不安になった人も多かったのではないでしょうか?
8月5日に日経平均株価は過去最大の下げ幅(4451円28銭)を記録しました。前々日から大幅な値下がりが続き、とどめを刺すような大暴落でした。

しかし翌日には大きく値上がりし、その後は値下がりと値上りを繰り返しながら、約3カ月が過ぎた11月中旬には7月下旬の水準に戻りました。
ここまで大きな値動きは珍しいけれど、株価は常に変動していて、いったんは下がった株価が、時間が立って元に戻ることはよくあります。
つまり、投資で重要なことは、長期で取り組むこと、値下がりしたところで慌てて売らないことです。
そのためには押さえておきたいポイントが二つあります。
一つは、新NISAなどの投資に回すお金と安全資産である預貯金とのバランス。もう一つは投資商品の選び方。新NISAを使うなら「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で使う商品の選び方です。
値下がりに耐えられる人
投資している資産が値下がりしても平気でいられるかどうかは、精神面とお金のやりくりという二つの面にかかわってきます。
投資以外にも預貯金をちゃんと持っているからお金が足りなくなることはないけれど、値下がりすると精神的なショックが大きく不安で落ち着かないという人は、次に説明する投資商品の選び方で不安を小さくすることができるでしょう。

問題は、預貯金があまりなく、お金を工面するために値下がりしたところで損をしても売るしかない人です。
そんなことにならないためには少なくとも生活費の3~6カ月分の預貯金を持っておくこと。時間が過ぎることで平均株価が回復する可能性があるからです。
子供の教育費の支払いなど、まとまった資金が必要な時期が近いなら、その分のお金は投資しないこと。収入が不安定になりがちな個人事業主や退職が近い50代後半以降の人は、生活費の6カ月分から1年分を預貯金で持つなど多めにしておいた方が安心です。