昨今の電気代の値上がりを受けて、新年を機に省エネ性能の高い家電に買い替え、電気代を抑えようと考えている人もいるだろう。しかし、やみくもに買い替えればいいというわけではない。

そこで節約アドバイザーの和田由貴さんに、今後の電気代の見通しや、消費電力の多いエアコン、冷蔵庫、照明の買い替えのポイントについて聞いた。

電気代は年々上がっている

「国から出ていた電気代の補助が10月に終了し、今後は負担が増えるといわれていましたが、政府は2025年1月から3月使用分まで補助を再開すると決定。そのため、急激に上がるということはないでしょう」

ただし、電気代は徐々に上がっている。

「東京電力の場合、2021年初頭は20円/kWh程度でしたが、2024年夏には31円/kWh程度まで上がっています」

新電力ネットのデータより編集部作成
新電力ネットのデータより編集部作成
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そもそも、なぜ値上がりが進んでいるのだろうか。

「電気代に加算される燃料費が高騰しているからです。発電に必要な石油や石炭などを調達するための費用は、国際市場での価格や為替の影響を受けて変動します。その値動きが加味されるため、燃料費によって電気代も変わるのです」

2022年3月以降に電気代が跳ね上がったのは、ロシアのウクライナ侵攻などの影響を受け、世界的に燃料の価格が高騰したから。

「2012年7月に導入された『再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)』も、電気代上昇の理由のひとつです。電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の資金を利用者が電気代に加えて支払う仕組みで、年々負担額が増えているため、電気代が上がっています」