当時高校生だった娘に性的暴行を加えた罪に問われている父親の裁判で、富山地方裁判所は検察の求刑通り懲役8年の判決を言い渡しました。

抵抗できない状態で性的暴行した準強姦罪に問われる
判決を受けたのは、富山県黒部市の元会社役員、大門広治被告(54)です。
大門被告は2016年8月に、当時高校2年生だった娘の福山里帆さん(25)に対し、抵抗できない状態と知りながら性的暴行を加えた準強姦の罪に問われていました。
これまでの裁判で、大門被告は娘との性交渉を認めた一方、「抵抗できない状態ではなかった」など無罪を主張していましたが、娘の福山さんは「やめてと言ったがやめてくれなかった」と証言しています。

これに検察は「福山さんは日ごろから父親に暴力をふるわれ、抵抗できなかった。4年間に渡り娘を性欲の捌け口にする極めて卑劣な犯行」として、大門被告に懲役8年を求刑。
弁護側は「福山さんは大門被告からの性交渉を5、6回拒否したことがあり、抵抗できなかったとは言えない」と主張していました。


「卑劣かつ悪質性が高い常習的な犯行」と裁判長
21日の判決公判で梅澤利昭裁判長は、「家庭内という犯行が発覚しづらい状況を悪用し、娘が抵抗できない状態に陥っていることに乗じた卑劣かつ悪質性が高い常習的な犯行」として、検察の求刑通り懲役8年の実刑判決を言い渡しました。
判決に福山さんは

*福山里帆さん(25)
「やってきたことがやっとここで終わって認めていただいた。それが安心して、すごくほっとした。私がなぜ傷ついたのか、なぜこういう事態に至ったのか。自分の何が悪かったのか、しっかり考える時間にしてほしい」
これまで福山さんは、実名・顔出しで被害を訴えてきました。

*福山里帆さん(25)
「まだまだ見えないところで家庭内性被害はあると思う。そういったことが世の中にもっとたくさんあることを知ってほしい」
大門被告の弁護人は「控訴するかはまだ決めていない」としています。