NISAとiDeCo、やったほうがいいのは分かっていても、自分にはどちらが必要なのか判断できないという人も少なくないだろう。FPの坂本綾子さんは、5つの判断基準で見極めていくべきだと説明する。
話題のNISAとiDeCo。いずれも税金が優遇されるので、お得な投資の口座として、よくセットで取り上げられます。しかし、この2つにはけっこう大きな違いがあります。どちらが自分に向いているのか、悩んでいる人もいることでしょう。
また、NISAとiDeCoは併用もできますが、投資に回せる金額があまり多くないので、どちらかを選びたい人もいることでしょう。どちらを優先すればいいかは、年齢や立場により違ってきます。その理由であるそれぞれの特徴も含めて解説します。
向き・不向きを表でチェック
まず、大まかな基準を表にまとめました。

さて、あなたはNISAかiDeCo、どちら向きでしょうか。
実際には、例えば40歳未満の会社員で、貯蓄はあまりなく、退職給付制度はそこそこ充実しているとか、40歳以上の個人事業主で、貯蓄はけっこうあるが、会社員でないため退職給付はないなど、1人の人に複数の要素があります。
複数の要素をもとに、自分がどちら寄りかを判断することになりますが、悩ましい場合は、NISAとiDeCoそれぞれの特徴をしっかり把握した上で選んでください。

スタート時にどちらかを選び、ずっと選んだほうだけを使うのもありですし、年齢が上がったり収支に余裕が生まれたりするなど条件が変化したら使っていない方を追加するのもありです。また、最初から併用するけれど、金額はどちらかを多めにすることで自分の状況に合わせる方法もあります。
では、5つの基準の理由を説明します。