小学6年生でそろばんの大会で日本一になった少年が秋田市にいる。集中力を高める秘訣は、自分1人で集中するのではなく他の人とやることだと話す。計算の速さは勉強だけでなく、生活の中でも役に立っているそうだ。

県内最年少で暗算の最高位「十段」に

秋田市にあるそろばん教室「秋田あんざんアカデミー」には、幼稚園児から中学生まで約60人が在籍している。

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「そろばん」といえば玉をパチパチとはじいて計算するイメージだが、「秋田あんざんアカデミー」では、頭の中にそろばんをイメージして計算する珠算式暗算やフラッシュ暗算などを身に付けることができる。

真剣な表情で黙々と計算に取り組んでいるのは、将軍野中学校1年の降矢才馳さん(13)だ。5歳からそろばんを始めた降矢さんは「自分があまり得意じゃないところを、どうやったらうまくなるかをちゃんと考えて、そこを集中的に練習した」と話す。

練習のかいもあり、小学3年生のときには暗算の最高位「十段」に秋田県内最年少で認定された。さらに、小学6年生のときには個人で全国大会優勝を果たすなど、秋田県内の記録を次々と塗り替えてきた。

「人間業じゃないことができる」

そんな降矢さんが得意だというフラッシュ暗算を披露してくれた。

画面に次々出てくる数字を瞬時に計算し、解答する。正しい答えを出せたことがわかると、降矢さんはうれしそうな表情を見せた。

秋田あんざんアカデミーの戸井田和明先生は「秋田県初のそろばん日本一や、数々の県内最年少記録もとっているが、そろばんを通じた暗算力、7桁×7桁の計算を頭の中でできるのは、ちょっと人間業じゃないことができるのがすごい」と、降矢さんのすごさを語る。

集中力を高める秘訣は意外なところにあった。

「1人でやるのではなく他の人と、同じ塾の友達とやると楽しくなるので、自分1人で集中するのではなく、他の人とやったほうがいい」と話す降矢さんは、友達と話したりゲームをしたり、中学生らしい一面も見せる。

「数字を生かしてプログラマーに」

東北大会で優勝経験がある秋田大学付属小学校4年の進藤優仁くん(9)も、「秋田あんざんアカデミー」に通っている。

進藤くんは降矢さんの存在に大きな影響を受けていて、「そろばんを始めた時から一緒だったので、仲は良いほうだと思う。強いので才馳くんみたいになれるように目指したい」と降矢さんを目標にしている。

さらに、「書くのが速い。書くのが速いと当然問題も速く解けるので、タイムとかも速くなる」と降矢さんの強さを分析する。

降矢さんの計算力の強さと速さは、勉強以外のささいな部分でも役立っているという。

降矢さんは「スーパーで親に商品の値段の計算を頼まれたときに、すぐに計算できるので、そういうときに役立つ」と笑顔を見せた。

ひとつのことを始めると、とことん追求する性格の降矢さんは、「もっと大きな大会で日本一になることと、ずっと戦ってきているライバルに勝つこと」が今後の目標だという。そして、「将来は数字を生かしてプログラマーになりたい」と語った。

(秋田テレビ)

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