世界では今、子どものSNS利用を法律で制限する動きが急速に広がっている。背景にあるのは依存や有害情報などへの懸念だ。
一方、当事者である子どもたちや親はどう感じているのか。広島の街で声を聞いた。

もし法律でSNS禁止になったら?

広島市中心部で話を聞くと、受け止めは複雑だ。
中学2年は「インスタとかLINEをやってます。みんなやっているし、いろんな人とのつながりがあるんで」と話す。もしSNSを禁止されたらと聞くと、「ちょっと…つらいです」と声を落とす。
制限なく使いたい気持ちがあるか尋ねると、「あります。めちゃくちゃあります」と即答した。

中学2年生と、その母親
中学2年生と、その母親
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母親はスクリーンタイムで利用時間を制限しているという。
「どこまでが良くてどこまでが良くないか、本人の意識はまだないと思う。今後SNSがなくなることはないので、うまく付き合っていかないといけない。付き合い方を学んでいる段階だと思っています」

高校1年生
高校1年生

今やSNSは、大人だけでなく子どもたちにとっても“生活に欠かせない存在”。
高校1年は笑ってこう答えた。
「SNSなしってなったら?寝ます!」
別の高校生からは「勉強でYouTubeの解説動画に頼ることもある。全部禁止はやめてほしい」との声もあった。

高校3年生
高校3年生

一方、依存性の高さも浮き彫りになっている。
高校3年の2人は「無理です!スマホが命みたいな感じ。第二の命」と語る。
「インスタグラムと、見るだけならTikTokとLINE。時間があれば見ています」
利用時間を確認すると1日14時間。「流行りの動画を流して見ている感じ」と話し、親も同じように使っているため注意されることは特にないという。

子どもが社会人の40代妻と50代夫
子どもが社会人の40代妻と50代夫

子どもが社会人になった夫婦は当時を振り返る。
「中学の卒業式の前にスマホを持たせました」
この家庭は親子の会話が多く、子どももリビングなど目の届く環境で過ごしていたそうだ。
「危ないものを持たせないか、使い方を教えるか。“刃物”と同じ感覚かなと思う」

オーストラリアに続き、フランスも

2026年現在、青少年のSNS利用を法律で制限する流れは各国で加速している。最も先行したのはオーストラリアで、2025年12月、16歳未満のSNS利用を禁じる法律を世界で初めて施行した。これを受け、フランスも法整備を進め、スペイン、イギリス、デンマークなどでも規制検討の動きが広がっている。

禁止の対象範囲は国によって異なるが、共通して問題視されているのは「自分のアカウントを持ち、見知らぬ相手と交流する利用形態」や「次々とおすすめの動画を見せる仕組み」だ。
動画共有サービスのYouTubeも、オーストラリアでは禁止対象に含まれ、16歳未満はログイン利用ができない。ただし、学習などに使われるログイン不要の閲覧については、規制対象外とみられる。

広島県のフィルタリング利用32.1%

日本に子どものSNS利用を一律に禁じる法律がない中、広島県は2025年1月、子どもたちが違法・有害な情報と接触するのを防ぐため「フィルタリング機能」の活用を強く促す条例を施行。独自ルールとして、保護者に対し、フィルタリングを使わない場合は「なぜ使わないのか」などの理由を記載した書面を販売店に提出することなどが義務付けられている。
しかし広島県の最新の調査では、実際にフィルタリングを有効にしている青少年は32.1%にとどまる。

世界でSNSが消えることのないインフラとなった今、問われているのは「使わせるか、禁止するか」だけでなく、どう付き合わせるか。その答えを、大人社会もまだ見つけられていない。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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