熊本市の庁舎を建て替えるか否かをめぐる議論で、9月27日に熊本市議会最終日で関連予算案が賛成多数で可決され、建て替えへ進むことになった。また、採決をめぐっては、自民党系会派の中に会派の方針と異なる意思表示をした議員もいた。
新庁舎建て替え関連予算を賛成多数で可決
熊本市の大西市長は今議会に新庁舎の基本計画や設計関連の業務を業者に一括発注する方針でその関連予算案を提出している。
この記事の画像(9枚)9月27日の本会議で議決が得られれば、本庁舎と議会棟はNTT桜町の敷地に、中央区役所は花畑町別館跡地に、それぞれ移転建て替えの方針で進められることになる。
採決の結果、賛成38反対7。注目の予算案は賛成多数で可決された。
大西一史熊本市長は「関連議案を可決いただきありがたい。まちづくりのうえでも、これが起爆剤となって熊本の都市の将来に向けたまちづくりに向け、しっかりビジョンが描けるようにがんばっていきたい」と述べた。
会派方針と異なる意思表示の議員も
今回の採決、会派別では自民党、熊本自民党、市民連合、公明党が賛成した。最大会派の自民党の坂田誠二団長は「庁舎の問題が建設に向けて一歩進んだという思いです」と述べた。
一方、第2会派の熊本自民の澤田昌作団長は「4名が賛成できなかったということだが、大方が賛成となった」と述べ、熊本自民党12人のうち4人が採決で起立、または挙手をせず、会派の方針とは異なる意思表示をした。
熊本自民党の髙本一臣議員は「合併推進債の活用が迫っているということで時間がなく、大事なところをはしょって進めていくというのは、とても大きな事業であり、イエスとは言えなかった」と、髙本議員は、今後、熊本自民党会派を離れることも視野に検討するとした。
今後、議会内の会派構成が変動する可能性も出てきた。
「地震に負けない強い街をつくる」
閉会後、大西熊本市長が向かったのは議長室。今後の基本計画策定に向け、議会棟の目指すべき姿について「議会として検討してほしい」と寺本義勝熊本市議会議長に申し入れた。
寺本熊本市議会議長は「議長が会長となり、各派の代表を数名出していただき、通常の特別委員会のような特化したかたちで議論したい」と、新庁舎の議会棟に向けた考えを述べた。
新庁舎建設に向けて具体的に動き出す節目の日となった9月27日。大西熊本市長は会見で「地震に負けない強い街をつくり、安心につながり、そしてにぎわいにつながる、期待と希望を持てるようなまちづくりに向けて全力をあげたい」と改めて決意を述べた。
(テレビ熊本)