庁舎建て替えをめぐり、熊本市の大西市長は6月までに本庁舎とは分けて建てる『分棟』の方針を示していた中央区役所について、花畑町別館跡地に移転建て替えとする考えを表明した。

中央区役所を花畑町別館跡地に移転へ

熊本市の大西市長は6月の議会・特別委員会で、まず本庁舎について「NTT桜町の敷地に移転建て替えとし、現在本庁舎の中にある中央区役所については、本庁舎裏手の市役所駐車場の敷地、または花畑町別館跡地のいずれかに分棟する方針」と述べていた。

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そして、大西熊本市長は7月16日の庁舎特別委員会で「中央区役所の建設地については建て替え計画や立地特性の評価が高く、市負担額において有利な花畑町別館跡地として進めたい」と明らかにした。

花畑町別館跡地は現在、駐車場として民間に貸し出されているが、熊本市所有の土地で2017年度に建物が解体されるまでは、一部の部署が置かれ、文字通り市役所の別館として使われていた。

ここを中央区役所の建設地とした理由について「幹線道路に面した立地で市が所有しているため、新たな取得費用がかからない」ことや「市駐車場敷地とした場合は建設工事期間中の来庁者駐車場の確保が課題となる」こと。「災害時、浸水の想定が花畑町別館跡地は最大3メートル余り、市駐車場敷地は最大5メートル余りで災害リスク上も優位性が高い」などとした。

また、本庁舎と合わせた概算事業費で比較しても花畑町別館跡地に中央区役所を建てた場合の方が少なくなるとした。

異論は出ずも課題は市民の合意形成

この案に対して、大石浩文委員は「(花畑町別館跡地なら)花畑町エリアが中心市街地の一体性を高めていく上で重要な役割を果たすのではないかと思う」と述べ、他の委員からも、花畑町別館跡地について特に異論は出なかったものの、そもそもの議論の進め方をめぐる意見が相次いだ。

髙本一臣委員は「計画全体の妥当性、費用の妥当性、住民の合意形成が揃わなければ事業の可否について正しい判断ができないし、それが大原則」と話し、浜田大介委員は「(市民の)合意のためには何かやらないと、今までのやり方ではなかなか建て替えに関し、市の考えが伝わっていないのではないか」と指摘した。

特別委員会終了後、大西熊本市長は「(今後)具体的なものが見えてくるときに、アンケートをとったり(市民と)対話をしたり疑問に答えていきたい」と、今後の市民への対応について考えを述べた。

熊本市は9月議会に基本計画、基本設計、実施設計の委託関連予算案を一括提案する予定で、これが議決されれば市の財政に有利とされる地方債『合併推進債』を活用した、庁舎建て替えが正式に決定することになる。

(テレビ熊本)

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