ドジャースの大谷翔平選手は日本時間26日午前6時45分、自身の通訳を務めていたが違法賭博に関与した疑惑で解雇された水原一平氏について「僕の口座からお金を盗んでなおかつみんなにウソをついていたというのが、結論から言うとそういうことになります」と述べた。大谷選手が水原氏について話すのは、解雇後初めて。

これまでアメリカメディアなどで報じられてきた様々な争点について、大谷選手は明確に自身の関与を否定していった。

誰が送金したのか

アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNによると、水原氏は当初、借金を肩代わりするため大谷選手が自ら賭博の胴元に送金してくれたと話していたという。「大谷選手が自分のコンピューターにログインして、ブックメーカーからの指示に従って目的として『ローン』と打ち込むのを横で見ていた」などと、ディテールまで詳しく説明したが、後日その話は嘘だったと前言を翻したという。

水原氏の問題についてコメントする大谷選手 3月26日
水原氏の問題についてコメントする大谷選手 3月26日
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大谷選手は26日、送金については、「僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことも全くありません」「(水原氏は)僕の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたと僕に伝えました」と説明した。どうやって「勝手にアクセス」したのかは明らかにされていないが、大谷選手の口座からブックメーカーへの送金に、大谷翔平自身は全く関与していないと明確に否定した。

賭博や借金についていつ知ったのか

水原氏はESPNの取材に対して、2023年に大谷選手が自分の借金を肩代わりしてくれたと当初説明していた。しかし大谷選手は26日の声明で、「僕がこのギャンブルに関する問題を初めて知ったのは、韓国での第一戦の後に行われたチームミーティングの時です」と説明。

3月20日の韓国で開催されたパドレス戦の後のミーティングで水原氏が「ギャンブル依存症」であることなどを英語で説明する際に、完全には理解できないものの違和感を抱き、その後ホテルで水原氏から説明を受けた時に、「ホテルに戻って一平さんとそこで初めて話しをして、彼に巨額の借金があることをそのとき知りました」と話した。

自身と違法な賭博との関係

大谷選手は自信と賭博の関係については、「僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたりとか、それを頼んだりということはないですし、僕の口座からブックメーカーに対して誰かに送金を依頼したことも全くありません」と説明し、違法か合法かに関係なく、ギャンブルそのものへの関わり自体を完全に否定した。

「彼」「一平さん」揺れる呼び名

大谷選手は問題の発覚から6日間コメントを出さなかったが、その時期を「僕も話したかった」と振り返った。チームやファンへの感謝を述べつつも、心境については、「信頼していた人の過ちを、悲しく、ショックです」と語った。声明のなかで、水原氏のことを「彼」と呼んだり、「一平さん」と呼んだり、呼び名が揺れていたのが印象的だった。

大谷選手は声明の最後で、「正直ショックという言葉が正しいとは思いませんし、それ以上の言葉では表せない感覚でこの1週間くらいずっと過ごしてきたので、今言葉にするのは難しいなと思っています」と改めて現在の心境について語った。

プライムオンライン編集部
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