大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏が違法賭博に関与したなどと報じられ、解雇された事について、今後水原氏の刑事訴追はあるのか?そして大谷翔平選手が責任を問われることはあり得るのか?アメリカ・ニューヨーク州とカリフォルニア州の弁護士資格を持つ清原博弁護士に話を聞いた。

この記事の画像(7枚)

――違法賭博というのは具体的にどこが法に触れるということか

アメリカではスポーツ賭博が違法かどうかは州ごとに違う。今では約40の週が合法としているが、ドジャースやエンゼルスの本拠地であるカリフォルニア州ではスポーツ賭博は違法。ですから、賭けを行うブックメーカーの住所がカリフォルニアなので、運営している賭博は違法といえる。水原さんの賭け事もまた違法になる。

その違法な賭博に、もし水原氏がカリフォルニア州から参加すれば、水原さんの賭け事もまた、違法になる。他の州では合法の可能性もあるので許されていた可能性がある。

――今後水原氏が罪に問われるならどのような罪なのか

もし違法賭博をしているとカリフォルニア州の法律に違反しているとなれば、違法賭博罪で6カ月以下の禁固または100ドル~1000ドルの罰金刑の可能性があるということ。

――水原氏は合法だと思ったと話しているようだが、認識の違いで変わってくるのか

違法と分かってやっていたら犯罪。仮に合法だと思っていたというのも、カリフォルニア州の法律を知らなかったから合法だと思ったという弁解はなかなか裁判所では受け入れられない。ただ例外的に胴元が、これは絶対合法と、水原氏がだまされてしまって賭け事をしたというなら、水原氏が合法だと思ったという言い分を裁判所が受け入れる可能性もある。

――水原氏は送金の説明について変化している。ESPNの取材に対して19日火曜日には「大谷選手自らが口座にログインして、去年数ヶ月に分けて送金した」と話していた。しかし20日には、「大谷選手は借金を知らず、大谷選手本人は送金していない」と説明を一転させた。開幕戦後には「ギャンブル依存症だ」と告白し、「すべて自分のせい」などと説明した。大谷選手の関与はないと話しているが、もし19日に話をしたように、大谷選手が自らログインして送金していた場合、影響はあるのか?

水原氏がもし違法賭博していれば、大谷選手はその違法賭博に加担した、あるいは手助けをしたという意味で責任を問われる可能性がある。

自ら大谷選手が送金したときに、まさかギャンブルが違法だとは全然知らずに送金した場合には、大谷選手が責任を問われることはないだろうが、もし仮に、水原さんから「こういうギャンブルなんだ」と、詳しく説明を受けて、大谷選手側もこれはまずいギャンブルじゃないかと分かるくらい詳しく説明を受けていながらも、自ら大谷選手が送金した場合には、もしかしたら、水原氏の違法賭博に加担した、手助けしたとして責任を問われる可能性があるかもしれない。

――捜査段階で大谷選手への影響は?

大谷選手の銀行口座が浮上しているので、それを捜査機関は詳しく知りたいだろう。大谷選手自身から事情を聞くことを考えている可能性はありますが、実際には本人では無くて代理人弁護士から話しを聞くというのが最初になるとみられる。

イット!
イット!

知りたかったことが分かれば、きっと明日が楽しくなる。
知らなかったことが分かれば、きっと誰かに話したくなる。
「明日も頑張ろう」と思えるそのささやかな力になれればと今日もニュースをお届けします。
フジテレビ報道局が制作する夕方のニュース番組。毎週・月曜〜金曜日午後3時45分より放送中。榎並大二郎と宮司愛海が最新ニュースを丁寧にお伝えします。