認定こども園で、パワハラなどで多くの保育士が一斉に退職する意向を示している。保護者説明会の音声データには、実状を訴える職員の声が記録されている。

「グズグズ言うな!金を出してるのは自分や」

認定こども園で保育士にパワハラか。
FNNが入手したのは、13日に行われた保護者説明会の音声データ。
そこにはパワハラの実情を訴える、保育士自身の切実な声が記録されていた。

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保育士音声データ:
我々のことを“コマ”とおっしゃるんです。“コマ”がない“コマ”が揃わないから仕方がない。
我々は“コマ”ではありません。感情を持った人です。保育士です。

保育士は“コマ”…そう言い放ったのは、大阪府・堺市にある認定こども園「あいあい浜寺中央こども園」運営法人の女性会長。

そのパワハラ発言などを理由に、園では保育士12人のうち10人が3月いっぱいで一斉に退職する意向を示している。

保育士らは、子どもを預かる環境が整えられておらず、職員を増やしてほしいと、何年も前から訴えたものの、改善されなかったとも訴えている。

保育士音声データ:
このままでは大切な命を預かっているのに、いつ危険なことが起こるかもしれない。ずっとずっとお願いしてきました。
しかしながら、“やっている”“募集をかけてもけえへんねんから、しゃあないやろ”…これです。
“お前は黙っとけ!グズグズ言うな!金を出してるのは自分や“
このような発言が続いて、私は申し訳ないですけど、退職を決意して先に申し出させてもらいました。

退職届を提出した保育士に対し、会長は突き放すような態度をとったと言います。

保育士音声データ:
“わかったええわ”“辞めるんやったら辞めたらええ”
このような言葉をかけられています

来月から子どもを預けることになっていた保護者は、説明会で初めて入園できないことを伝えられたという。

保護者:
その説明会のときなので3月13日ですね。本当やったら、ここに4月から入るはずだったんですけど、1歳児の入園は、一切お断りという状況になっているので…この近くで入れるところを探しているという状況です

当のこども園は、新たな保育士の人員確保に努めるとしているが、運営の継続は困難な状況にあるのが実情。

事態を重く見た堺市は、「転園希望者をできる限りサポートする」としています。
(「イット!」3月15日放送より)