鹿児島・大隅半島の鹿屋市で、車が運転できない高齢者を地域の人たちが買い物に連れて行くという取り組みが始まった。車のレンタルは無料。一体どんなサービスなのだろうか。

6割が高齢者の町で新たな取り組み

鹿屋市高須町は約800人が暮らす港町で、65歳以上の高齢者が6割を占める、鹿屋市内でも高齢化率の高い地域だ。

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8月3日、鹿屋市の新しい取り組みが始まった。その名も「ドライブサロン+(プラス)」。
地域の人たちが交代で車を運転し、高齢者を買い物に連れて行くサービスで、車両は、鹿屋市社会福祉協議会が用意する。

高須町でドライバーに名乗りをあげたのは5人。交通事故防止のため、ドライバーは自動車学校で講習を受けるのがルール。「お年寄りたちのためなら」と、ドライバーの講習は地元の自動車学校がボランティアで引き受けた。

「久しぶりに楽しかった」安否確認と“孤独感”解消にも

取材した日は、車で10分ほどのスーパーへみんなで買い物に向かった。

車の利用は無料で、保険やガソリン代など、必要な経費は全て赤い羽根共同募金から賄われている。

買い物を終えた高齢者が、ニコニコしながら戻ってきたので、さっそく感想を聞いてみた。

買い物を終えた高齢者:
いろいろ買いました。久しぶりにお店で楽しくあちこち見て回りました

買い物を終えた高齢者:
便利でいいと思いますね。また利用させてもらいます

帰りの車内でも、「きょうは楽しかったね、久しぶりに」と会話が弾んだ。

車のレンタルは、原則3時間まで。高齢者を送り届けたら、車を返却して終了となる。

ボランティアドライバー:
皆さんが喜んでいただいてよかったと思います。僕らも退職して時間があるので、週に1回くらいだったら大丈夫だと思います

鹿屋市社会福祉協議会 清水直樹事務局次長:
ぜひ、地域でボランティアを養成していただき、この事業に取り組んでいただければと思っています

鹿屋市高須町では、毎週水曜日にこの買い物を続けていきたいとしている。商業施設まで距離があるにもかかわらず、公共交通機関のない地域が少なくない鹿屋市。みんなで買い物することで、互いの安否確認と孤独感の解消につながるとの期待もあるこの取り組みに注目だ。

(鹿児島テレビ)

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