世界の強豪国が一堂に会するバレーボールの国際大会「ネーションズリーグ」で予選ラウンドを10勝2敗、2位で通過したバレーボール男子日本代表。

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平均身長は192.5センチと、出場16チーム中で最小。世界のトップチームと比べて体格で劣る日本だが、オリンピックで3度金メダルを獲得しているブラジルも撃破。国際大会で30年ぶりの快挙を成し遂げた。

この快進撃において、多くの得点チャンスを生み出せたのは、ある選手のディフェンス力によるところが大きいと男子キャプテン・石川祐希(27)は証言する。

男子キャプテン・石川祐希:
日本のリベロは質が良いので世界でもトップの位置にいるのではないかなと思います。

キャプテン石川祐希が信頼をおく、その選手とは、ニッポンの絶対的守護神、山本智大、28歳。ポジションは守備を専門とするリベロだ。

コート上の山本は、味方ブロックの脇を抜けた、渾身のスパイクをもことごとく拾い攻撃につなぐ。そのレシーブ力で相手チームをラリーに引きずり込み、最後は日本の得点につなげる守備の要だ。

今大会のスパイクレシーブ数は3位、効果率は世界トップクラスの数字を叩き出している。

幼い頃の風船バレーが生んだ吸収力

世界トップクラスとの呼び声高いレシーブ力。 そのルーツを探るべく北の大地、北海道の実家を尋ねると、山本の父、忠文さんが証言してくれた。

父・忠文さん:
それこそ風船バレーやったりして遊んでいたので。要するにボールを吹っ飛ばしたら、家中のものが壊れるじゃないですか。だからボールを押さえるというか吸収するというのが自然と身に付きましたね。

”風船バレー”で遊ぶ幼少期の山本智大
”風船バレー”で遊ぶ幼少期の山本智大

強烈な球を見事につなぐ、その技術のルーツは、なんと子どもの頃の自宅での風船遊びだったのだという。

幼少期の山本智大
幼少期の山本智大

では父・忠文さんが証言してくれた吸収力のあるレシーブとは一体どんなものなのか?フジテレビ今湊アナウンサーが調査した。

石川祐希が認めたパワーを受け止めるレシーブ

まずは山本に、そのレシーブの極意を聞いた。

右:山本智大
右:山本智大

「たぶん野球とかもそうなんですけど、強いボールに対して(強く)振るとボールは飛ぶじゃないですか」

「それと一緒で『ガチ!』ってやっちゃうと飛んで行っちゃうので、より(衝撃を)吸収する事が大事だと思うので、リラックスするようにしています」

吸収力の鍵は、“脱力”。 しかし強力なスパイクがくれば、思わず力が入ってしまうもの。
そこで力を抜くのは、至難の技だ。

山本選手のレシーブ時の脱力感を確認する今湊アナ
山本選手のレシーブ時の脱力感を確認する今湊アナ

今湊アナウンサー:
どのぐらい、ぶらーんとさせていますか?

山本智大:
(実践)これぐらいです。

山本の腕にタッチする今湊アナ。
「ほとんど力が入っていないですね!」
そう感想を漏らすほど、しっかり脱力をしてることが判明した。

そしてどんな強烈なスパイクやサーブも、味方のもとに正確に返してしまう山本のレシーブには、海外のトッププロリーグでプレーをする石川も舌を巻く。

男子キャプテン・石川祐:
どうやったらあんなにボールが吸収できるというか、相手のパワーをしっかり受け止めてカバーできる範囲に収められるというのは、見ていてすごいなと思います。

ニッポンの快進撃を支える、“脱力レシーブ”。 この山本の絶対的な武器こそが今の日本代表の原動力となっている。

山本智大
山本智大

山本智大:
(ボールに)触ったら上げられる自信があるので、触れればこっちのもんかなと。
非常にいい形で来ていますし継続しつつ、次のラウンドでも自分たちの力を発揮したいと思います。

日本の次なる戦いは7月21日(金)。決勝ラウンド・準々決勝でスロベニアと対戦する。

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