森保一監督率いるサッカー日本代表は6月、エルサルバドル戦でゴールラッシュを見せ6-0と大勝し、第2次森保ジャパン3戦目で待望の初勝利を手にした。続くペルー代表との試合でも4-1で快勝。この勢いと得点力の高さに、驚きの声が次々と挙がった。

中村敬斗
中村敬斗
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そんな森保ジャパンにあって、巧みな足さばきを生かした得点力を武器に3月に初招集されフル代表デビュー、6月には初ゴールを決めたのがFW中村敬斗(22)だ。

エルサルバドル戦ではMF久保建英(22)からのラストパスをペナルティエリア内で受けると、ダイレクトで右足一閃。冷静にゴールマウスに叩き込み、フル代表2戦目で初ゴールを記録した次世代のストライカーだ。

その試合後、久保は「堂安をおとりに自分でシュートを撃つつもりだったが、中村のマークについている選手が食いついてきてフリーになっていたので、パスを出すことが賢明かなと思いました。アンダーカテゴリーでも同じ部屋になったり、仲が良かったので、彼が喜んでいるのは素直に嬉しい」と語った。

そして中村は「久保がボールを持った時に自分のサイドがフリーだったので間違いなくパスが来ると信じて逆サイドで待っていました。U-17で僕が得点を取った時も、久保からのコーナーキックからだったと思います」と語っている。

森保ジャパンでの存在感を示し始めた中村だが、所属チームでの活躍もめざましい。

オーストリア1部の「LASK」で公式戦「17得点」をマーク。「ザルツブルク」に6シーズン在籍していた南野拓実が持つ「14得点」の記録を超え、今や世界の強豪クラブからも熱視線を送られる存在になっている。

自宅を取材して見えた原点

その素顔を探るべく、初体験だという自宅取材に向かった。

まずは中村に、サッカー選手としての武器を尋ねた。
「シュートレンジの広さや、ドリブルは注目して見て欲しいと思います」

ファーサイドに強烈なシュートを決める中村
ファーサイドに強烈なシュートを決める中村

中村がそう語るように、ニアサイドとファーサイド。状況に応じて広い範囲から放たれるシュートは強烈な威力を持つ。 今季、オーストリア1部で17得点を上げているのは前述の通りだが、昨シーズンも12得点2アシストを記録、その決定力を海外の舞台で発揮している。

そして中村が語るもうひとつの武器・ドリブルの切れ味は。プロ初ゴールとなった試合では、なんと60メートルを独走して、自らゴールネットを揺らしている。

「鋭いドリブル」さらに「シュートレンジの広さ」こそが得点量産の武器となっているのだ。

ロナウジーニョに憧れて8歳でブラジル訪問

では巧みな足さばきを生かしたプレースタイルの原点はどこにあるのか?そのルーツを尋ねると、中村から返って来たのは子供の頃に憧れた元ブラジル代表のレジェンドの名前だった。

中村敬斗
中村敬斗

「なかむらけいと ロナウジーニョになるって書いてますよね」

中村が見せてくれたのは『なかむらけいと ロナウジーニョになる』と書かれたDVDのケースだ。

画面中央:ロナウジーニョさんの母国ブラジルを父とともに訪問した中村敬斗(当時8歳)
画面中央:ロナウジーニョさんの母国ブラジルを父とともに訪問した中村敬斗(当時8歳)

その中には、伝説のサッカー選手を愛するがあまり、なんと8歳の時にロナウジーニョさんの母国ブラジルを父とともに訪問した際の映像が収められている。

ブラジルのビーチで足技を披露する中村敬斗(当時8歳)
ブラジルのビーチで足技を披露する中村敬斗(当時8歳)

ブラジルのビーチでサッカーボールを使い足技を披露する小柄な少年。

ブラジルで現地の子どもを相手に一対一の勝負を仕掛ける中村敬斗(当時8歳)
ブラジルで現地の子どもを相手に一対一の勝負を仕掛ける中村敬斗(当時8歳)

さらにはストリートで現地の子どもを相手に一対一の勝負を仕掛けるほどの情熱が、この中村の根底にはある。

中村「とにかくめちゃくちゃ好きだったので、足技のテクニックを学んで試合で使おうとしていたと思います」

自らのルーツとなった憧れのレジェンド存在を語ってくれた中村。日本代表に選出されるようになった今、次は何を目指すのか?

「小さい頃から夢見ていたロナウジーニョみたいに逆の立場で憧れられるような選手になりたいですね」

世界の強豪クラブが熱視線を送る中村敬斗。日本サッカーを新たなステージへの導く次世代のエースストライカーに注目が集まる。

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