愛知県岡崎市の和食店が作るおからを使ったスイーツが、ヘルシーでおいしいと話題になっている。

シフォンケーキに餃子…女将が”おから”にはまり新商品続々

岡崎市の「魚信」は、寄せ豆腐が看板メニューの和食店。創業して60年近くになる。

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80年以上続く地元の老舗豆腐店から仕入れていたが、2年前、危機に直面した。

魚信の女将:
営業中に電話がかかってきて「もう明日から豆腐が卸せないから」って

豆腐店の工房が火事で全焼し、廃業してしまったのだ。

魚信の女将:
色々よそのお店のものも取り寄せて使ってはみたんですけど、どうもしっくりこない

魚信のご主人は、豆腐店に頼み込み、豆腐作りを引き継ぐことにした。

寄せ豆腐は無事に復活させられたが、困ったことが起きた。

魚信の女将:
お豆腐を蒸して、すって、しぼり切ったカスがおから。半端ない量が出るんですね。すごくいい食材ではあるんですけども、捨てるとなるとゴミ・産廃ということで、なんかとても悲しいなって

自分たちで作ってみたことで、毎日40キロ近くもの大量のおからが余ってしまうことを知った。

魚信の女将:
うちは手しぼりなので、(おからに)豆乳が残っていてしっとりしていて、そのまま食べてもおいしい

おからの利用策として思いついたのがドーナツ。パサついておいしくないというイメージがあったが、1カ月試作を重ね、おからと小麦粉の割合を1対1にすることで、女将さん自身もびっくりするようなしっとり感になり、ヘルシーながら味や食感も満足できるドーナツができた。

2021年の春から和食店の店頭で販売をはじめると、「食べやすい」と瞬く間に人気に。

このドーナツを皮切りに、おからにハマってしまった女将さんは、ほかにもシフォンケーキや餃子、ハンバーグまで利用先を広げた。

和食店の前に、おからデザート専用の工房まで新設。

生産量を1.5倍に増やしながらも、捨てるおからはゼロにできた。おからを使ったメニューは、今では和食店の新しい名物になった。

魚信の女将:
もっともっと皆さんにおいしい豆腐を、おいしいおから商品を食べてもらえたらなってすごく思いますね。皆さんに見直していただけたらなって

(東海テレビ)

東海テレビ
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