10月6日からウズベキスタン・タシケントで開幕する、2022世界柔道選手権。
その1ヶ月前、長年日本の重量級を支えてきた男子日本代表監督・鈴木桂治が、愛弟子に発破をかけていた。
「これコケたらもうないんじゃない?腹くくってやらないと」
国士舘大学でも鈴木監督から教えを受ける、男子100キロ級・飯田健太郎(いいだけんたろう・24)の気合は十分だ。
鈴木桂治も認める潜在能力
この記事の画像(4枚)飯田の持つ柔道センスには、誰もが魅了された。
高校3年、国際大会の花形・グランドスラムパリで、地元フランスのオリンピック銅メダリストを投げつけ優勝するという鮮烈なデビューを飾る。
日本柔道の次世代を担うスター候補の頭角に、鈴木桂治監督も熱くなった一人だ。
「健太郎の柔道センスというものは、多分かなり高いレベルにいると思いますよね」
そんな飯田だが、日本代表レースでは、追いかける側のポジション。
鈴木監督も「ウルフ・アロンという選手が、この100キロ級にいるというのは間違いないと思いますし、健太郎もそれをよくわかっていると思います」と続ける。
先を行く同階級の“ライバル”
東京オリンピック100キロ級金メダリスト・ウルフアロンは、負傷などで今年の世界選手権選考会は欠場となったが、パリ五輪代表レースにおいては大きく溝を開けられていることを、飯田自身も自覚している。
「まだ全然脅かす存在にもなれていないと自分では思っているので、自分が今の時点で意識するのはちょっとおこがましいというか…」
初出場を果たした去年の世界選手権では、無念の4回戦敗退。
2度目の今年、結果を残すことが出来なければパリ五輪代表レースは厳しいものになってしまう。
まさに背水の陣となるが、同時にこの大会は自らの存在意義を証明する千載一遇のチャンスでもある。
「この世界選手権優勝というのを達成することができたら、またちょっと脅かす存在に少しでもなるのかなと思っています」
得意技は相手を跳ね上げる豪快な“内股”だ。
それは、井上康生、鈴木桂治、羽賀龍之介ら日本が誇る世界チャンピオンたちがこぞって愛用した、日本100キロ級・伝統の必殺技。
飯田もその血筋を受け継ぐ、類まれなる柔道家であることは間違いない。
「よくも悪くも豪快なところが自分の柔道スタイル。得意技の内股を楽しみにしていて欲しいなと思います」
伝家の宝刀で世界を制し、パリ五輪代表レースに名乗りを上げる。
2022世界柔道選手権
10/6開幕!
フジテレビ系列で8夜連続中継!
https://www.fujitv.co.jp/sports/judo/world/index.html