2026年後期朝ドラで注目の大関和(チカ)はどんな人物?近・現代歴史作家の青山誠さんが考察する。

文・写真=青山誠

家老の娘として生まれるも、父が辞職!?

大関和は「日本のナイチンゲール」と呼ばれた近代看護の先駆者。

安政5年4月11日(1858年5月23日)、黒羽藩家老・大関弾右衛門の次女として生まれた。黒羽藩は下野国(しもつけのくに/現在の栃木県)那須郡にある1万8000石の外様小藩。だが、弾右衛門が主導した硫黄鉱山開発などの藩政改革により財政は潤沢で、精強な軍事力を保有していた。それが幕府からも注目され、藩主の大関増裕は海軍奉行や若年寄など幕府の重職を歴任するようになる。

黒羽城跡は、黒羽城址公園として整備されている(栃木県大田原市)
黒羽城跡は、黒羽城址公園として整備されている(栃木県大田原市)
この記事の画像(6枚)

和が生まれた翌々年の9月に江戸城の桜田門外で大老・井伊直弼が暗殺され、幕末の動乱が始まった。慶応4年(1868)1月には鳥羽伏見の戦いが起こり、3月には江戸城が無血開城している。10歳の誕生日を迎える頃には戦火が北関東や奥羽にも及び、黒羽藩も新政府軍に与して前線に藩兵を派遣していた。

軍需物資輸送などの後方支援で藩庁も大忙し。そんな折に、突如、弾右衛門は家老を辞職してしまう。

「家禄も屋敷も返上して、明日からは乞食をすることになるかもしれぬ」