選挙で圧倒的勝利を収めた高市総理が、会見で耳慣れない言葉を口にした。「国民会議」──。消費税減税をめぐる与野党の協議の場として設置するというこの組織は、一体何を意味するのか。関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、政治ジャーナリストの青山和弘氏とともに、高市政権の今後の展開と野党の苦境について詳しく解説した。
■「国民会議」とは何か──法案作成前の合意形成の場
高市総理は選挙後の会見で、消費税減税について具体的な方針を示した。低中所得者を集中的に支援し、手取りが増えるようにする観点から「給付付き税額控除制度」の導入に向けて議論を進めること、そして制度導入までの2年間に限り飲料食品の消費税率をゼロとすることについて、「国民会議」で財源のあり方などの検討を進めると述べたのだ。
しかし、この国民会議とは一体何なのか。青山氏によれば、「これまだ開かれたこともない、影も形もない」という。それでも高市総理がこの言葉を使った背景には、明確な政治的意図があるという。
「今回の選挙でも消費税減税を訴えなかったのは『チームみらい』だけなんですよ。それ以外の政党は、標準税率を下げるとか、年限を区切るか区切らないなどの違いはあったが、基本的にみんな消費税下げると言ってる」と青山氏は指摘する。
つまり、ほぼすべての与野党が消費税減税を掲げた以上、その実現に向けて各党が集まり、財源の問題やいつから何パーセントに下げるかを決める場として国民会議を位置づけているのだという。
■国会との違い 野党にも「責任」を負わせる戦略
では、国民会議と国会はどう違うのか。青山氏は次のように説明する。
「国会は法案を審議するところ。法案を作る前段階でこの国民会議を作って、法案の中身を決めましょうと。法案ができた後に国会の審議になるわけです」。
つまり、国民会議は法案審議の前段階で政策の中身を固める場であり、そこに野党も参加させることで、「自分たちだけで決めてるんじゃなくて、野党側にも一緒にこの消費税の問題を考えてほしい」という高市総理の意図が透けて見えるという。言い換えれば、野党にも責任を負ってもらいたいという戦略なのだ。
しかし、番組コメンテーターの風間晋さんは「この類のやつって大体物事が進まないための、進まない言い訳に利用するためにこういうのを作っとくっていうのが、よく行われる政治の手法じゃないですか」と疑問を投げかける。
青山氏もその懸念を認めつつ、今回は状況が異なると指摘する。
「(高市総理の意図は)野党にも責任を持ってもらいたいということだが、野党側としては責任負わされるのは嫌なので、もめる可能性は十分ある。ただ、高市さんは3分の2の議席を持っているので、野党が反対しているから消費減税がだめになったと言うのはどうなのか」。
青木キャスターも「やろうと思ったらできるわけです」と応じると、青山氏は「やろうと思ったらやれるだろうということにもなりかねない」と答えた。圧倒的多数を握った高市政権にとって、国民会議は諸刃の剣となる可能性がある。
青山氏は国民会議には官僚も説明役として参加し、有識者の意見を聞く場面もあると見ている。
■野党再編の必要性──権力の暴走を防ぐチェック機能
一方、旧立憲民主党の大物政治家と呼ばれる議員たちが軒並み落選したが、青山氏は野党の重要性を強調する。
「中道は壊滅状態になってると言ってもおかしくないが、高市政権は3分の2を超える強大な権力を持ったので、権力が暴走しないようにチェックする機能は絶対に国会に必要」
大物議員が落選した中で、どうチェック機能を持てる野党を立て直すかが急務だと青山氏は指摘する。
中道は今週金曜日には代表選挙が行われるが、「非常に選択肢のない中で、どういった立て直し方ができるのか」が問われている。
青山氏は具体的な可能性として、国民民主党の玉木代表のような人物を巻き込むこと、あるいは「チームみらい」との協力も視野に入れるべきだと示唆。
「とにかく野党勢力の立て直しも我々国民にとっては非常に重要なポイント」だと指摘しました。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年2月10日放送)