新型コロナウイルスの感染が全国に拡大したのは2020年。この年の4月(=2020年度)に入学した大学生の約4割が、大学生活を通じた“成長を実感していない”ことが、ベネッセ教育総合研究所の調査で分かった。

ベネッセ教育総合研究所が行ったのは「大学生の学習・生活実態調査」。2021年12月、インターネットを通じて全国の大学1~4年生4124人から回答を得た。同調査は2008年から4~5年おきに実施しており、今回が4回目となる。

この調査の結果、2020年度に入学した大学2年生(調査時点)は、成長を「実感しない」と答えた割合が39.6%で、2016年(前回調査)の大学2年生より8.0ポイント増えたことが分かった。一方で、他の学年(1年生、3年生、4年生)では、2016年の同学年と比べて、成長を「実感しない」と答えた割合にほとんど変化はなかった。 

<成長を「実感しない」と答えた割合>
【1年生】2016年:28.1%→2021年:29.6%(1.5ポイント増加)
【2年生】2016年:31.6%→2021年:39.6%(8ポイント増加)
【3年生】2016年:26.1%→2021年:25.2%(0.9ポイント減少)
【4年生】2016年:19.9%→2021年:19.8%(0.1ポイント減少)

成長実感(提供:ベネッセ教育総合研究所)
成長実感(提供:ベネッセ教育総合研究所)
この記事の画像(8枚)

ベネッセ教育総合研究所は「とくに2020年度の入学生に成長実感がもてていない学生が多いことがわかる」としている。

また、「悩み事を相談できる友だち」が「いない」割合と「学習やスポーツで競い合う友だち」が「いない」割合は、2016年と比べて全体的に増加し、とくに2020年度に入学した大学生で顕著となっている。

<悩み事を相談できる友達が「いない」割合>
【1年生】2016年:20.3%→2021年:27.5%(7.2ポイント増加)
【2年生】2016年:20.0%→2021年:29.1%(9.1ポイント増加)
【3年生】2016年:19.2%→2021年:21.9%(2.7ポイント増加)
【4年生】2016年:17.4%→2021年:20.0%(2.6ポイント増加)

学内の友人の数(提供:ベネッセ教育総合研究所)
学内の友人の数(提供:ベネッセ教育総合研究所)

<学習やスポーツで競い合う友だちが「いない」割合>
【1年生】2016年:35.8%→2021年:49.1%(13.3ポイント増加)
【2年生】2016年:37.2%→2021年:52.7%(15.5ポイント増加)
【3年生】2016年:42.5%→2021年:47.6%(5.1ポイント増加)
【4年生】2016年:45.1%→2021年:48.1%(3ポイント増加)