今から23年前の2月、皇太子時代の天皇陛下は、雅子さまと一緒に冬季国体が開催された群馬県をご訪問。また、1月に前立腺の摘出手術を受け入院された天皇陛下(現在の上皇さま)に代わって国事行為の臨時代行を務めるなど公務に忙しい日々を送られた。
平成15(2003)年2月9日放送「皇室ご一家」(第1210回 皇太子ご夫妻 群馬国体へ)を振り返る。
なお、本記事は当時のナレーションをそのまま記載。現在の天皇皇后両陛下をそれぞれ「皇太子さま」「雅子さま」、上皇ご夫妻を「天皇皇后両陛下」などと記載する。
手術後、順調に回復される天皇陛下
1月16日に入院し、18日に前立腺の摘出手術を受けられた天皇陛下は、その後、順調に回復されています。
食事は21日から通常食に近いものとなり、22日には点滴もはずれ、病室から廊下に出て、朝と昼、そして夜それぞれ15分ほどの歩行訓練をされているそうです。
1月23日には、皇太子ご夫妻と秋篠宮ご夫妻がお見舞いに訪れ、付き添われている皇后さま、そして紀宮さまと一緒に、ご一家でくつろいだひとときを過ごされました。
翌24日、陛下の検査結果が宮内庁から発表されました。それによると「前立腺以外へのがんの転移は見つからなかった」とのことです。ただし、再発がないことを確認するため、血液検査などを定期的に続けていくそうです。
1月30日、陛下は入院中の東京・文京区の東大医学部付属病院から皇居の御所に帰られました。16日の入院から、2週間ぶりの1泊の外泊です。宮内庁によると、主治医の勧めで療養の一環としての気分転換だそうです。そして翌31日、陛下は病院に戻り、再び療養を続けられています。
国事行為の臨時代行をお務めに
陛下の入院に伴い、国事行為の臨時代行を務められている皇太子さま。1月17日には、皇居の宮殿、松の間で行われた特命全権大使の任命式に臨まれました。
さらに1月20日には、国会の参議院本会議場で開かれた第156回通常国会の開会式で、陛下のご名代として「おことば」を代読されました。
昭和天皇の病気療養中、国事行為の臨時代行の国会の開会式に出席されていますが、平成に入ってからは初めてです。
《天皇陛下のおことばを代読される皇太子さま》
「本日、第156回国会の開会式に当たり、この席に親しく臨めないことを、誠に残念に思います。国会が、永年にわたり、国民生活の安定と向上、世界の平和と繁栄のため、たゆみない努力を続けていることを、うれしく思います。国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託にこたえることを切に希望します。」
ご夫妻で冬の国体へ
皇太子さまは雅子さまとご一緒に、1月24日と25日の2日間、第58回国体冬季大会のスケートとアイスホッケー競技会開会式ご出席のため、群馬県を訪問されました。
今回のご訪問は国事行為の臨時代行ではなく、ご夫妻が毎年続けられているご公務です。
前橋市内の特養ホームご訪問
群馬県の県庁所在地・前橋市。人口34万人のこの街は、赤城、榛名、そして妙義の「上毛三山」に囲まれた自然豊かな所です。
ご夫妻は24日、前橋市の特別養護老人ホーム「恵風園」をお訪ねになりました。
この日、恵風園では、ここで暮らすお年寄りたちと近くの城東小学校の児童たちとの交流会が開かれていました。
交流会では児童たちの合唱に続いて、かるた取りや貼り絵、すごろくなどが楽しそうに行われていました。
この老人ホームは、今年で創立100周年を迎えます。それを記念して、貼り絵は鶴と亀を描いています。ご夫妻は、「うまくできますか」とやさしく話しかけられました。
お年寄りが遊ぶお手玉にご夫妻は、大変なつかしそうなご様子でした。
スケート・アイスホッケー競技会開会式
翌25日、前橋市の群馬県総合スポーツセンター・ぐんまアリーナで、第58回国体冬季大会のスケートとアイスホッケー競技会の開会式が行われました。
開会式に先立って、太鼓演奏や子供たちのマスゲームが披露されました。
ご夫妻の群馬県ご訪問は、平成6年に前橋市で行われた農業青年交歓大会ご出席以来、9年ぶりのことです。
開会式は、選手、役員らの入場行進でスタート。今年の大会は「風になる人」のスローガンの下、全国44の都道府県から1900人あまりが参加しました。
群馬県で冬季国体スケート競技会が開催されるのは、9年ぶり4回目です。
去年の国体の男女の総合優勝を果たした東京都から天皇杯と皇后杯が返還されました。
《皇太子さまのおことば》
「国民体育大会は、多くの関係者の熱意と努力に支えられ、スポーツの振興と国民の健康増進に大きな役割を果たしてきました。この大会に参加される選手の皆さんが、日ごろの練習の成果を十分に発揮されるとともに、お互いの友情をはぐくみ、地元の皆さんとの交流を深められることを期待しています。上毛三山(じょうもうさんざん)を始めとする、美しく豊かな自然に恵まれたこの地で開催される「群馬国体」が、いつまでも皆さんの思い出に残る、実り多い大会となることを願い、私のあいさつといたします。」
《選手宣誓》
「群馬国体に参加し、『風になる人』のスローガンの下、競技の栄誉と競技の栄光のため、またここ群馬県にさわやかな風を吹かせるため、力一杯滑り抜くことを誓います。」
フィギュアスケート競技をご観戦
大会は29日までの5日間、スケートの3つの競技とアイスホッケー競技が行われました。ご夫妻は開会式に続いて、成年女子のフィギュアスケート・ショートプログラムをご覧になりました。
この競技は、ジャンプ、スピンなど8つの要素をもりこみ、2分40秒以内に演技するものです。
通常のご公務の他、国事行為の臨時代行など、大変お忙しい毎日を過ごされる皇太子さまと雅子さまです。
(「皇室ご一家」第1210回 平成15年2月9日放送)
