データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。
プレスリリース配信元:ジンジブ
採用充足の回答25%にとどまる・求人票の変更点1位は「給与・賞与」
高校生の就職を支援している「ジンジブ」(大阪市)は 、高校新卒の採用担当者に向けて、2025年卒の採用活動の実態を調査するため、「25卒高卒採用振り返りアンケート」を行いました。
2025年7月公表「高卒採用の動向トピック」(※1)で紹介した調査詳細であり、「令和の時代の高卒採用」を考えます。
(調査期間:2025年1月28日~2月25日、有効回答数:517人、うち25卒の高卒採用実施はうち431人)
<調査結果サマリー>
- 25卒の高卒採用「計画通り」または「計画以上に内定出せた」と回答した企業は約25%。- 応募につながった理由では「先生との関係構築」(48.6%)、注力活動では「近くの学校訪問」(59.4%)と先生との接点づくりが基本。
- 求人票の変更「給与・賞与」が1位。採用結果との相関関係は、「キャリアアップ制度」「資格取得の支援」、「研修制度」、「寮・社宅制度」が高い。

<調査概要>
調査期間:2025年1月28日~2月25日
調査方法:1.インターネット調査法
2.メールによるアンケート回収
調査対象:企業の高卒採用のご担当者または準じる方
有効回答数:517人(うち高卒採用実施が 431人)
<調査の背景>
少子化が加速し、若手採用のニーズが高まる中、企業の高卒採用に対する意識が大きく変化しています。2025年卒の求人倍率は「4.10倍」(※2)と高く、企業では初任給の引き上げなどの待遇向上や、新生活支援やキャリアアップの育成支援など、採用力を上げるため各社採用競争が行われています。
高校ではキャリア教育の充実や仕事体験の機会など、ミスマッチないキャリアを描くため取り組みが重要視されています。
今回は、2025年3月卒の高卒採用活動の振り返りアンケートの結果より、令和の時代の高校就活の傾向を考察いたします。
(*1)参考: 株式会社ジンジブ「26卒高卒採用 求人募集増やす3割超・初任給アップは7割超【26卒・25卒】高校新卒採用に関するアンケートから読み解く就活アップデート」
(*2)出典:厚生労働省 令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和7年3月末現在)
<全アンケート結果>
■採用計画について
1.高卒採用を導入してどのくらいですか。(n=431)
高卒採用の導入を見ると、「10年以上高卒採用を続けている」が55.5%と半数を超えており、高卒採用が長年にわたり定着していることが分かります。
一方で、「2023年卒から」「2024年卒から」「2025年卒から」と、ここ3年以内に導入したのは19.9%で、昨年度に続いて新たに高卒採用に取り組む企業は増加傾向にあると言えます。(※)
※参考:【24卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2023年11月)
2.25卒の高卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数の増減はありましたか。※複数回答可(n=408)

25卒の高卒採用の募集人数は「変わらない」の回答が48%と最も多く、前年と同水準の採用計画の維持が半数近くを占めます。
一方で、募集人数を増やした回答の中で見ると「同じエリア・職種で」(28.4%)の他に、「新たなエリアで」(19.9%)、「新たな職種で」(19.6%)、「数年ぶりに再会した」(2.9%)と採用数の増加以外にも新たな採用枠ができていることもわかりました。
高卒採用の意欲は昨年度から続き高く、人材確保に向けた動きはさらに広がっていると推察できます。
3.25卒の高卒の採用計画で求人募集人数を増やした理由を教えてください。※複数回答可 (n=225)

25卒にて昨年より求人募集人数を増やした理由は、「若手人材の採用に力を入れるため」が68.9%と最も多く、若手の確保が主な理由であることが分かります。
次いで、「業績向上による事業拡大のため」(42.2%)、「高卒人材が自社に合っていると感じたため」(36.0%)、「退職者の増加による人員確保のため」(35.6%)が続き、事業拡大や退職者による人材不足への対応が背景にあると考えられます。
全体として、企業は若手人材の育成や組織創りを目的に、高卒採用の拡大を進めている傾向がうかがえます。
■採用結果について
4.25卒の高校新卒の採用人数について、現時点で計画通り充足しましたか。計画通りを「10」とした充足状況を教えてください。 (n=431)
25卒の高卒採用の現在の採用結果については、「計画通りに充足した」(20.4%)、「計画以上に採用できた」(4.2%)と、全体の約4分の1近くが計画を達成または上回る結果となりました。
一方で、75.4%の企業は計画未達であり、高校新卒の採用が依然として厳しい状況が続いています。「8~9」と目標に近い水準まで採用が進んだ企業もあるものの、充足度が「5以下」が18.1%、「内定できていない」が14.8%と採用結果に差が出ています。
5. 25卒高校生からの応募のきっかけを教えてください。※ 充足1~11 以上と回答 ※複数回答可 (n=367)

25卒高校生の応募のきっかけで最も多かったのは「学校に届いた求人票」(68.1%)でした。依然として学校経由の紹介が高卒採用の中心的なルートであることがわかります。
次いで「企業パンフレット」(40.3%)、「自社HP」(38.1%)が続き、企業の情報発信ツールも一定の効果を発揮していることがうかがえます。また、「ハローワークの合同企業説明会」(31.6%)や「求人サイト」(30.5%)など、複数のチャネルを活用して応募につながっている傾向も見られました。
6. 応募につながった理由で当てはまるものを教えてください。※充足1~11以上と回答 ※複数回答可 (n=364)

応募につながった理由として最も多くあげられたのは「先生との関係構築」(48.6%)で、高校との信頼関係づくりが採用活動において大きな効果があることがわかります。
次いで「給与や福利厚生などの条件面」(43.7%)が多く、安定した待遇への関心も高いことが示されています。さらに「アットホームな雰囲気」(33.0%)や「ネームバリュー」(32.1%)、その他「教育・キャリアアップ制度」(31.0%)、といった項目も上位に入り、企業の魅力や職場環境が応募の後押しになっていると考えられます。
7. 計画に対して充足しなかった理由を教えてください。 ※充足0~9と回答 ※複数回答可 (n=325)

計画に対して採用が充足しなかった理由として最も多かったのは、「高校生が減っていると感じる」で46.5%に上り、少子化による母集団の縮小が大きな要因と考える人が多いです。
次いで、「他社と比較して自社の魅力を伝えられなかった」(32.6%)、「他社の求人募集人数が増えたため」(30.2%)が続き、企業間での採用競争が一層激化していることが示されています。また、「高校への求人紹介がうまくいかなかった」(23.7%)や「人員不足で採用活動に時間を割けなかった」(20.0%)といった、学校連携や企業での体制面での課題もあげられました。
■採用活動について
8.求人情報を伝えるために注力した活動は何ですか? ※複数回答可(n=431)
高卒採用で求人情報を伝える活動として最も多かったのは、「高校訪問(近く)」で59.4%に上り、地域の学校への対面の接点が重視されていることがわかります。
次いで「高校へ求人票の発送」(58.0%)、「高校の先生へ電話・メールでの連絡」(37.4%)が続き、学校との関係構築を目的とした活動が中心となっています。また、「求人サイトへの掲載」(32.7%)や「高校訪問(県外など遠方)」(29.2%)、「先生との交流会への参加」(28.3%)など、多面的にアプローチを行う企業も少なくありません。
一方で、「特に何もしていない」の回答は5.1%にとどまり、多くの企業が積極的に高校や教員との接点を持ちながら採用活動を進めていることがうかがえます。
9.25卒の高卒採用の「求人票」で昨年度と変更した事項を教えてください。※複数回答可(n=410)

25卒において、「求人票」での変更項目として最も多かったのは「給与・賞与」で55.4%に上りました。昨年度が47.4%だったことから、待遇面を重視する企業がさらに増えています。
次いで「休日日数」(31.5%)、次に「キャリアアップ制度」(24.4%)「募集職種」(21.5%)や「資格取得の支援」(20.2%)が続き、働きやすさや入社後の成長機会への配慮が見られます。
一方で、「特にない」と回答した企業は21.5%でした。昨年の回答33.8%に比べ減少していることから、高校生の応募意欲を上げるために募集要項を見直した企業は増えていると言えます。
※ 参考:【24卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2023年11月)
10.25卒の高卒採用で「求人票」のほかに強化した採用ツールを教えてください。※複数回答可(n=431)

高校新卒採用で求人票の他に強化した採用ツールは、「自社HP」(44.5%)と「採用パンフレット」(43.6%)が最も多く、企業の基本的な情報発信手段が中心となっています。
「求人サイト」(30.2%)や「民間企業の合同企業説明会」(24.6%)など外部チャネルの活用も見られました。一方で、「採用SNS」(16.7%)や「動画」(16.5%)の利用割合はまだ少ないものの、今後の拡大が期待されます。
11.25卒の高卒採用の活動期間でのミスマッチを防ぐ取り組みを教えてください。※複数回答可(n=431)

採用活動でのミスマッチを防ぐ取り組みとして最も多かったのは、「先生と接点を取る機会を増やした」(37.4%)で、高校との関係づくりを重視する姿勢がうかがえます。
次いで「インターンシップを受け入れた」(31.6%)、「職場見学などで働く現場を見てもらった」(30.6%)、「高校生と話せるイベントに参加した」(30.4%)が続き、実際に高校生が企業を体験・理解できる機会を設ける取り組みが多く見られました。また、「仕事の内容ややりがいを紹介した」(26.0%)や「求人票以外の情報提供を行った」(23.2%)など、情報の“質”を高める工夫も進んでいます。
12.高卒採用の求める人物像について最も近いものを教えてください。※複数回答可(n=431)

高卒採用での求める人物像で回答が最も多かったのは、「真面目、または誠実な人柄である」(62.2%)でした。次いで「素直である」(59.9%)、「意欲的である」(53.8%)が続き、人柄や姿勢を重視する傾向が明確に見られます。
また、「コミュニケーション能力」(47.6%)や「前向きな考え方」(39.9%)、「明るい性格」(36.7%)といった、職場で円滑に働くための協調性や前向きさの力も求める対象となっています。
一方で、「専門的なスキル」(14.6%)や「学力成績」(9.0%)といった要素は「学校生活態度」や「出席日数」よりも低く、企業はスキルよりも人柄や姿勢を重視していることがうかがえます。
13.高卒社員の社会人スタートをフォローする取り組みを教えてください。※複数回答可(n=367)

高校新卒社員の社会人生活のフォローに向けた取り組みとして最も多かったのは、「職場環境の整備」(55.0%)で、働きやすい環境づくりに力を入れる企業が多いことがわかります。
次いで「個人面談の実施」(40.9%)や「社会人の基礎研修の拡充」(38.7%)が続き、教育体制の充実が重視されています。また、「寮・社宅の完備」(35.4%)や「住宅補助の支給」(30.0%)など、生活面での支援を行う企業も多く見られます。さらに、「メンター制度」(31.3%)や「社員食堂・昼食代の支給」(29.2%)といった、日常的なサポートも定着支援に効果を発揮しているようです。
<充足度の高い企業の取り組み>
採用充足度が高い企業の採用活動の傾向を、Q4と3つの質問でクロス集計を行いました。
Q4を「計画以上に内定(11以上)」、「計画通り(10)」、「充足率9、8」、「7、6」、「5、4」、「3~1」、「内定できていない(0)」と回答を分けて見ていきます。
■求人情報を伝える活動(Q4とQ8のクロス集計)

求人情報を伝える活動では、「高校訪問(近く)」や「高校への求人票発送」が最も多く、いずれも約6割の企業が実施していました。特に充足度によって実施率が増えたのが、「電話・メールでの連絡」「高校訪問(県外など遠方)」「交流会への参加」でした。
また「計画以上に進んだ(11以上)」ほど、複数の活動を同時に行っています。
一方、「内定できていない(0)」層では活動の種類が少なく、近隣の学校訪問と求人票の発送にとどまっていることがわかります。
こうした結果から、採用成果と活動量には相関関係があるといえます。また、「求人サイト掲載」や「高校生向けイベント」など高校生が目に触れる施策も存在感を増しています。
高卒採用を成功させるためには、学校との関係構築を活動の基本に、オンライン発信や体験型イベントなど複数の採用活動を取ることが望ましいことがわかります。
■求人票の変更事項(Q4とQ9のクロス集計)

求人票の変更事項で比較すると、もっとも多かったのは「給与・賞与」でしたが、採用充足度との関係を見ると給与改善だけが成功要因ではないことがうかがえます。
相関関係が見られるのは、「キャリアアップ制度」や「資格取得の支援」、「研修制度」、「寮・社宅制度」であり、成長環境の提示が応募意欲につながっていると考えられます。一方で「計画通り(10)」では求人票の見直しをしていない割合が高く、競争力のある求人条件であった可能性が考えられます。
全体として、高卒採用では、給与の引き上げや休暇に加え、成長できる環境による“人の定着を見据えた制度整備”が成果に結びついているといえます。
■強化した採用ツール(Q4とQ10のクロス集計)

25卒の高卒採用で「求人票」以外に強化した採用ツールでは、全体では「自社HP」(45%)と「採用パンフレット」(44%)が最も活用され、「計画以上に内定(11以上)」では「採用パンフレット」、「求人サイト」、「ハローワークでの合同企業説明会」の使用率が高いことがわかりました。
充足度との相関関係は「民間企業の合同企業説明会」、「動画」「採用SNS」があてはまり、「計画通り(10)」をのぞくと、採用ツールを複数使用すればするほど採用充足度は高まっています。
複数チャネルでの自社の魅力を発信することが採用成功につながりやすいことがわかります。
<アンケート結果からわかること>
● 25卒の高卒採用の傾向
25卒の高卒採用では、2月時点で「計画通りまたは計画以上に採用できた」と回答した企業は約25%にとどまり、多くの企業が採用目標を達成できていない状況が明らかになりました。
背景には「高校生の減少」(46.5%)や「他社との採用競争激化」(32.6%)があり、少子化による母集団の縮小と高卒採用に力を入れる企業が増えたことが企業の採用結果に影響を与えています。
応募のきっかけは「学校に届いた求人票」(68.1%)、応募の理由では先生との関係構築(48.6%)が最多であることから、学校を介した情報提供は今なお最も有効であることが確認されます。注力した活動では学校訪問(近く)(59.4%)が最も多い回答だったことからも高卒採用の活動の中心は引き続き「学校経由」であり、“学校との信頼関係づくり”が成果につながる重要な要素であることがわかります。
●採用成功した企業の傾向
計画通りに採用充足できたと回答した方ほど、「高校訪問(近く)」「先生へ電話・メールで連絡」「先生との交流会」といった、学校との直接的な接点づくりに積極的でした。
一方で採用ツールでは、「採用パンフレット」「自社サイト」「ハローワークの合同企業説明会」「求人サイト」の実施割合が多く、充足度が高まるほど採用活動や採用ツールは複数用意しています。
民間サービスの求人サイトや合同企業説明会など、高校生に直接伝える活動も組み合わせることでより成果につながると言えます。
また、充足度が高いと「給与・休暇」などの条件改善だけではなくキャリアアップや教育支援の制度にも取り組む割合が高く、待遇面と育成環境の両立が応募意欲につながっていると考えられます。さらに、入社後も「職場環境の整備」(55.0%)や「個人面談」(40.9%)など、定着支援への投資を惜しまない姿勢が見られました。採用から育成まで一貫したフォロー体制が、採用成功の要因といえます。
●アンケートからわかる「令和の高校就活」
今回のアンケートから、高卒採用の競争はますます激化しており、特に採用活動では高校との関係構築を基本にしている企業が多く、求人情報を届ける接点づくりや採用ツールを複数選択することが採用成功に影響があることがわかりました。
また企業は「先生との接点」「インターンシップ」「職場見学」「高校生と話せるイベントへの参加」などミスマッチを防ぐための取り組みを行っています。
特に採用充足度の高い企業では、対面での接点だけでなく、求人サイト・動画・SNSを通じて高校生に伝えるツールの活用や、求人票では人材育成にかかる項目(キャリアアップ・資格取得・研修)を改善しています。
高卒採用は“求人票で応募を待つ採用”から、“関係構築と体験機会を軸にした採用”へと進化しています。職場体験や複数の接点を用い「やりがい」や「成長機会」を伝える工夫を強化することで、高校生の仕事や会社理解につながります。
「令和の時代の高校就活」では、採用活動時の伝える工夫がミスマッチの防止と採用成功の秘訣になるといえるでしょう。
【アンケート回答者属性】



<ジンジブについて>
株式会社ジンジブ
代表取締役:佐々木 満秀(ささき みつひで)
本社所在地:大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー14階
拠点:大阪本社・東京・福岡・名古屋・仙台・広島・新潟・岡山・熊本・静岡
設立:2015年3月23日(グループ創業1998年9月1日)
株式情報:東京証券取引所 グロース市場(証券コード:142A)
HP:https://jinjib.co.jp/
ジンジブは「高卒」の若者のための社会課題解決企業です。同じく「高卒社長」である佐々木満秀が、「夢は、18才から始まる。」をスローガンに掲げて事業をはじめました。
高校生が自分で求人情報を探せる「ジョブドラフトNavi」をはじめ、高校生が “働きたい”と思える会社に出会うきっかけづくりのサービスを提供しています。事業を通じて、これからを生きる人の夢を増やしてまいります。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ