熊本市動植物園の人気者・メスのホッキョクグマのマルルが、12月8日に北海道・釧路市動物園へ向けて旅立った。マルルの引っ越しを前に、お別れ会や誕生日会が開かれ、多くのファンが別れを惜しんだ。

熊本市動植物園から釧路市動物園へ

12月8日午後4時ごろ、熊本市動植物園から出てきた1台のトラック。飼育員たちが手を振る先には、メスのホッキョクグマ・マルルが乗っていた。

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13年前の2012年12月8日に北海道の札幌市円山動物園で生まれたマルル。熊本市動植物園にやって来て以来、園の人気者として多くの来園者に愛されてきた。

今回、絶滅危惧種であるホッキョクグマの国内での飼育や繁殖を進める計画の一環で、北海道の釧路市動物園へ引っ越すことになった。

マルルのお別れ会には400人の応募

11月30日には熊本市動植物園のホッキョクグマの獣舎で、マルルのお別れ会が開かれ、400人以上の応募の中から、抽選で選ばれた家族連れなど60人が参加した。

主役のマルルは飼育員が用意した大好物の馬肉やスイカを食べながら、時折立ったり、プールに飛び込んだりと、元気いっぱいの様子。

熊本でマルルに会えるのもあとわずかで、参加した小学2年生の男の子は「かわいかった。スイカとか食べてた。北海道に行っても元気でいてほしい」と話し、小学1年生の男の子も「水に飛び込んでて、うれしかった」と話す。

ブリや果物が入った誕生日プレゼント

また、12月8日の誕生日を前に6日にマルルの誕生日会が開かれた。朝から多くの家族連れやファンが訪れ、マルルは誕生日プレゼントのブリや果物が入った氷を嬉しそうにほおばり、熊本のファンに元気な姿を見せていた。

誕生日会に参加した人たちは「悲しい。元気なところが好き」や「元気をもらって、ありがとう。私も一緒に(北海道に)行きたい」と話す。

休園日にも関わらず100人を超えるファン

そして、いよいよ引っ越しの日。12月8日はマルルの13歳の誕生日。熊本市動植物園は休園日にもかかわらず、100人を超えるファンが集まり、マルルを載せたトラックが見えなくなるまで見送った。

マルルのファンは「ここに来たときからずっと見ている。無邪気な感じで物を投げるのが面白かった」と話し、見送りに来た子どもたちも「ちょっと寂しいけど北海道でも頑張ってほしい。マルル、またね!」と声をかけた。

熊本市動植物園によると、マルルを載せたトラックは4日間ほどかけて釧路市動物園を目指すという。

(テレビ熊本)

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