「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、北海道の根室沖から東北の三陸沖にかけての千島海溝と日本海溝の北側でマグニチュード7以上の地震が起きた時、より規模が大きな地震が起きる恐れが普段より高まっているとして、発生から2時間後をメドに発表され、注意を呼びかけるものです。
政府は最大クラスの巨大地震が起きれば、震度6弱以上の揺れや巨大な津波が到達する恐れがあるとして、北海道から千葉県の主に太平洋側の182市町村に、1週間程度防災の対応をとるよう求めています。
この地域では、2011年に三陸沖でマグニチュード7・3の地震があった2日後に東日本大震災が起きています。
1963年にも択捉島南東沖のマグニチュード7・0の地震の18時間後には、マグニチュード8・5の巨大地震が起きています。
政府は「千島海溝」と「日本海溝」で巨大地震と津波が発生した場合、想定される津波は最大で30メートル、死者の想定は、最悪で千島海溝地震で10万人、日本海溝地震で19万9千人としています。
この死者数は北海道・東北特有の厳しい冬に最大となると想定され、低体温症による死亡リスクが高まる人は日本海溝地震で4万人を超えると推計しています。
一方で避難ビルや避難意識の改善で死者は8割減らせるとしています。
巨大地震が発生したらすぐに高台に逃げることや、二次避難所の確保や防寒備品などを装備しておくことで低体温症のリスクも減らせると試算されています。
政府は、後発地震注意情報が100回発表されたとしても実際に巨大地震が起きるのは1回程度で、事前の避難などは呼びかけていません。しかし、情報が発表されたら、1週間ほどは、地震に備えたり、津波が発生したらすぐに避難できるよう、日ごろの準備が大切になります。