政府が進めるガソリンの暫定税率廃止に向けた補助金拡充策により、鹿児島県内のガソリンや軽油の価格が下がり、その恩恵が様々な場所で広がりを見せている。

県内ガソリンスタンドでも値下げ実施

「得したみたいな気がする」「安ければ安いほどいい」――鹿児島市紫原のガソリンスタンドを訪れた利用客からは、価格低下を喜ぶ声が聞かれた。このガソリンスタンドでは、暫定税率廃止に伴う補助金拡充が始まった11月13日以降、レギュラーガソリン1リットルあたりの価格が163円から158円に引き下げられた。価格引き下げ後は土日の給油量も約1割増加していると言う。

2025年前半には190円を超える価格が続いていたレギュラーガソリンだが、国の補助金再開により5月以降は185円前後で推移。そして19日発表の価格は181.5円となり、前週より2.4円安くなった。石油情報センターによれば、この値下がりは補助金拡充が要因とみられている。

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運送業界や離島にも波及

補助金拡充の対象は軽油にも及んでいる。11月13日には1リットルあたり5円の補助金が拡充され、125台のトラックを所有するセイコー運輸では、毎月約20万リットルの軽油を消費するため大きな恩恵を受けている。

「毎月の燃料費が100万円削減になる。もともと軽油は高値なので、補助金が15円になったからといって安くなったわけではない。それでも補助金があって助かっているのは間違いない」と同社の鳥部敏雄社長は冷静に受け止めている。

セイコー運輸 鳥部敏雄社長
セイコー運輸 鳥部敏雄社長

一方、離島の種子島では18日からようやく補助金拡充が店頭価格に反映された。燃料の輸送コストなどがかかり本土より割高だが、鹿児島県西之表市のガソリンスタンドでは18日からガソリンと軽油を1リットルあたり6円ずつ値下げした。

島の利用客からは「いつになったら安くなるかと思っていた」「もうどんどん下がってもらえればありがたい」との声が聞かれた。

農家の喜びと今後の見通し

種子島の農家からも喜びの声が上がっている。サツマイモやサトウキビなどを生産する農家は「価格が下がるとものすごく助かる。軽トラック、トラクター、乗用車、年間十何万助かるのでは」と話す。

種子島西之表市
種子島西之表市

石油情報センターによれば、補助金拡充が続く間、レギュラーガソリンは12月11日まで、軽油は12月27日まで値下がり傾向が続くとみられている。

暫定税率廃止に向けた段階的な補助金増額

ガソリンの暫定税率廃止に向けて、補助金は段階的に増額される予定だ。11月13日に始まったのは、これまでの補助金に5円増額した15円の拡充。11月27日にはさらに5円拡充され20円引きとなり、最終的には12月11日に暫定税率と同じ額の約25.1円が引かれることになる。

(動画で見る:12月に向け段階的に値下げ拡大へ 暫定税率廃止に向けた補助スケジュールを解説

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鹿児島テレビ
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