春といえば“引っ越しシーズン”。例年、3月下旬から4月にかけてピークを迎える。しかし近年はその傾向にやや変化が起きているようだ。

引っ越し費用はピーク時の3分の1

年度末が、1年で最も需要が高まる引っ越し。福岡市博多区のマンションでは、朝から市内の別の区に引っ越す家族4人の荷物の運び出しが行われていた。2トントラックの荷台には、次々と荷物が積み込まれていく。

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本格的な引っ越しの時期より少し早いが、依頼主の男性は「3月、4月は引っ越し代が高くなるので、少しでも費用を抑えるために2月に予定しました」と時期を早めた理由を話す。

今回の引っ越し費用は5万5千円。担当した業者によると、仮にピーク時の3月下旬であれば、3倍の約15万円になるという。

「安く済んだので、浮いた分で旅行に行けたら」と依頼主の男性は話す。

前倒しの背景にある費用の高騰

一方、福岡・篠栗町にある引っ越し業者『スタイル引越センター』を訪ねると朝から見積もりに関する問い合わせが相次いでいた。

2月の予約状況は、150件は超えている。『スタイル引越センター』では2月に入り、既に1260件の引っ越し作業を受注。このペースでいくと2025年2月に受注した1442件を超える見込みだという。

『スタイル引越センター』の白川淳社長は「前倒し案件も非常に多いと思う。2月のお客さんは殆ど断っている状況」と話す。

引っ越し時期を2月に前倒しする背景にあるのは、ズバリ費用の高騰。引っ越し費用の比較サイトによると2021年以降の相場は、家族世帯、単身世帯ともに右肩上がり。

2026年は、更に値上がりすると予想されていて、費用が安く抑えられる2月に依頼が集中しているのだ。

しかし、なぜ引っ越し費用が高騰しているのか。

白川社長によると「10年前に比べると段ボール箱は約200%近く高騰。粘着テープも80%は上がっている。資材費の高騰、人件費の高騰、トラックの料金も高騰している」のだという。引っ越し作業に必要な段ボール箱やテープ類などが軒並み値上がり。

更に国がトラックドライバーの労働時間を制限した物流の『2024年問題』も引っ越し費用の価格高騰に影響を与えていた。

「安全対策基準も2024年から非常に強化されて、引っ越しできる件数も今までなら1日6件くらいできたが、今は4件くらいまで抑えないといけない。その分がどうしても引っ越し料金に反映する」(『スタイル引越センター』白川淳社長)

引っ越し荷物の一時避難先は…

引っ越し費用の高騰が続くなか、ある意外なサービスの人気が高まっている。

福岡市中央区のトランクルーム『キュラーズ』。扉を開けると8畳ほどの空間があり、荷物の収納ができる。繁忙期の高額な引っ越しを避けたい人が、トランクに荷物を預け、料金が落ち着いた時期に改めて新居に荷物を運び入れるのだという。

『キュラーズ』池田大和さんは「3月に引っ越しをしたい方が、2月に荷物をトランクルームに移動させて3月、4月、引っ越しが落ち着いた段階で業者を手配して引っ越しをする。前年比で2月は1.5倍ほど多くの問い合わせがある」と話す。

終わりが見えない引っ越し費用の高騰。さまざまな工夫で乗り切る必要がありそうだ。

(テレビ西日本)

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