また、この特徴を引き出した料理が“お好み焼き”。
「生地は小麦粉(山)に、昆布やかつお節(海)の出汁を混ぜていますね。またトッピングにはかつお節や青のり(海)をかけます。よく考えれば、山と海の乾物を上手く組み合わせている。栄養もあって、とても理にかなっている料理だなと思います」
水に戻さない調理法もOK
そんな栄養満点の乾物を日々の料理に取り入れたいが、ネックとなるのが「水戻しの時間」だろう。パパっと料理を作りたい人にとっては、手間となる時間かもしれない。
星名さんは「基本的に水戻しが必要」としつつも、そのまま使える乾物の一部を紹介してくれた。
「干しダイコン、かんぴょう、麩などは水洗いすればそのまま料理に使えます。昆布や干しシイタケは乾物のまま鍋物に直接入れても問題ありません。
例えば水炊きに入れると栄養もそのまま、うまみも増え、美味しい出汁が出るのでお勧めです」
ただし、毒素を抜く必要があるひじき、戻すのに時間がかかる豆類などは、水戻ししてから調理に使ってほしいという。乾物を使う前は表面に異物が付いている場合があるため、取り払ってから調理に使うことも忘れないでほしいとしている。
このような乾物を健康食として活用してみてはいかがだろうか。
星名桂治
日本かんぶつ協会シニアアドバイザー、かんぶつマエストロ講師。西野商事(現日本アクセス)に入社以来、乾物・乾麺一筋に従事。のち、エイチ・アイ・フーズ株式会社を設立。乾物乾麺研究所所長として、乾物の普及に努めている。
