星名さんは著書『乾物便利帖――栄養と料理の小百科<新装版>』(メトロポリタンプレス)で、以下のように紹介している。

わかめ(画像提供:星名桂治さん)
わかめ(画像提供:星名桂治さん)

〈海の乾物〉
・昆布:新陳代謝を促すヨウ素のほか、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛が含まれる。
・わかめ:カルシウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富。
・ひじき:カルシウムは牛乳の12倍。ミネラル、食物繊維も豊富。

高野豆腐(画像提供:星名桂治さん)
高野豆腐(画像提供:星名桂治さん)

〈山の乾物〉
・干しシイタケ:食物繊維のほか、悪性腫瘍の発育を阻止する作用があるとされるレンチナンも含まれる。
・干しダイコン:カルシウム、鉄分を多く含んでいる。食物繊維、カリウムも豊富。
・凍り豆腐(高野豆腐):亜鉛、マンガンなどミネラルが豊富。干しシイタケと一緒に摂取するとカルシウムの吸収がよくなる。乳幼児の食事にもお勧め。

乾物を水で戻した際の戻し汁にも、栄養が溶けている場合が多い。捨てずに出汁に活用すると、栄養を逃さずに取れるとのこと。

ただし、ひじきの戻し汁は毒素が含まれているため使ってはいけない。水で戻した後はサッと熱湯でゆでて、あく抜きをしてから調理してほしい。

海×山で栄養素・うま味がアップ

さらに、星名さんは「乾物は使い方次第でさらなる相乗効果が期待できます」と強調する。

「海の乾物と山の乾物を組み合わせることです。一緒に料理をすることによって、うまみと栄養価のバランスがぐっと上がるのです」

昆布と大豆の煮物(画像はイメージ)
昆布と大豆の煮物(画像はイメージ)

例えば、昆布(海)と大豆(山)の煮物だ。魚の干物に麩(山)を付け合わせるのもお勧めとのこと。

出汁も同じで、昆布(海)×干しシイタケ(山)、かつお節(海)×干しシイタケ(山)で取ると、うまみと栄養の相乗効果が得られるという。