これは1年に数回しか収穫できない食材を、保存性を高めることで翌年の収穫時まで食べられるようにした乾物本来の特性によるものだそう。

パッケージには賞味期限が(特集班撮影)
パッケージには賞味期限が(特集班撮影)

中には賞味期限が多少過ぎても問題ないものもあるが、水に戻した際に腐敗臭が発生したり、色に変化が表れたりしたら「処分してほしい」と星名さんは言う。

「乾物に腐敗や褐変(茶色く変色)が起こっていれば、調理する前に見分けがつくと思います。小麦粉などの粉類は腐敗臭がするとともに、なめると酸味が出るのも特徴です」

また、乾麺や豆類も「茹で時間や戻す時間が通常よりも長くなる」と劣化が進んでいる可能性があるとのこと。

茹で時間がいつもより長くなると要注意(画像はイメージ)
茹で時間がいつもより長くなると要注意(画像はイメージ)

このような変化が表れたら、乾物をおいしく食べるのは難しくなってしまうという。

また賞味期限内であっても、おいしく食べられる目安がある。特に一度開封して長期間放置すれば風味も次第に落ちていく。

湿気や水分に弱く、高温や直射日光が当たる場所に置くと酸化や劣化も進む。最悪の場合は青カビが発生して食べられなくなることもある。

ポイントは“小分けにして密閉”

では乾物をおいしい状態で最後まで食べるには、何を意識すればよいのか。星名さんは、“家庭に見合った消費量”を考慮することがポイントだとアドバイスする。

「家によって気温・湿度の環境も違います。乾物をいい状態で食べるには、大量に買いだめせず、“早めに食べきれる分量を必要に応じて購入する”のが賢い方法といえます」

小分けにして保存を(画像はイメージ)
小分けにして保存を(画像はイメージ)

そして、「最初に1回で使い切れる分を小分けにし、別途容器に保存しておくこと」を勧める。ひと手間を加えることで、乾物が持つ風味が落ちにくくなるという。