むー隊長の1日は午前8時半に始まる。職員が出勤してくるのと同時に、施設内にあるケージから出て出勤。
玄関前までやって来ると定位置に座り…施設へとやってくる利用者さんに、“おはよう”の挨拶をするのだ。昼過ぎから夕方にかけては日当たりのいい場所で休憩(お昼寝)を挟みつつ、利用者さんと触れ合いの時間。
さらには、リードをつけてもらって一緒に散歩に出かけたりして過ごし、夜になるとケージへと戻るのが1日の流れだ。
また、施設の行事がある際にはむー隊長も参加。9月に地域の人を招いて行われた「むれさき祭り」では、法被姿でイベントのステージにあがり、祭りを盛り上げた。
「施設の行事はむー隊長がいないと始まらないですね(笑)」
施設の看板猫として大活躍
むー隊長を迎え入れてから、施設にはさまざまな変化があったという。
むー隊長を話題にした会話が増え、施設全体のコミュニケーションが活発になった。さらには、むー隊長をきっかけにむれさき苑のことを知り、「施設の見学をしたい」という声をもらうことも増えた。
また、帰宅を強く訴える認知症の利用者さんが、むー隊長と触れあうことで心を落ち着かせ、施設内でも笑顔になることも増えたという。
“施設の看板猫”として、これ以上ない活躍に「本当にいい仕事をしてくれていて感謝しています」と濵口さんは話す。
あくまでも主体はむー隊長の意志
むー隊長は利用者さんのみならず、施設で働く職員にも癒やしと元気を与えてくれる「太陽のような存在」だという。
そんなむー隊長が今後もストレスを感じることなく、好きなように過ごしていけるように気をつけていきたいとも話してくれた。
大けがを負い、施設へと迷い込んだところを温かく看病した職員たち。むー隊長が幸せに生きることができるよう、施設で飼うことを喜んで受け入れてくれた利用者さん。
むー隊長が「むれさき苑」にたどり着いたのは偶然ではなく、そこで過ごす人たちの温かさに引かれたからなのかもしれない。
(画像提供:特別養護老人ホーム「むれさき苑」)
