一時下げ幅が4200円を超えるなど、9日の日経平均株価は歴代3番目の下げ幅となりました。
この歴史的な下落が私たちの生活にどんな影響を与えるのかについて、フジテレビ・智田裕一解説副委員長と見ていきます。
木村拓也キャスター:
今回の株価の下落の要因としては、中東情勢が緊迫化する中、原油の供給が停滞するとの懸念の高まりということですが、実際の原油価格はというと、ニューヨークの原油の先物相場は一時、1バレル=119ドルを超えました。110ドル台を付けるのがロシアのウクライナ侵攻以来ということで、2022年7月以来となります。
さらに海外メディアでは、カタールのカアビエネルギー担当相が「湾岸諸国のエネルギー輸出業者が数日以内に生産を停止し、原油価格が150ドルまで上昇することを予測している」と述べた、と伝えられています。つまり、さらなる上昇の可能性があるということです。
宮司愛海キャスター:
今回の株価の下落も原油の供給の停滞への懸念が背景にあったということですが、これまでの原油高騰の中、なぜ9日にここまで下がったと考えますか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
ハメネイ師の次男で強硬派とされているモジタバ師が後継の最高指導者に選出されたと伝えられて、イランは引き下がらないという見方が強まったこと。それともう1つは、クウェートなどが減産を始めたと報じられたことで、楽観シナリオが吹き飛んでしまったということになります。
宮司愛海キャスター:
実際に暫定税率が廃止されてガソリン代が下がりましたが、どのくらいガソリン代は上がっていきそうなんでしょうか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
全国平均のレギュラーガソリン価格は先週、3週連続で値上がりしていますが、9日に取材した東京都内のガソリンスタンドは、卸値の上昇を受けて9日に5円値上げして162円に価格を引き上げたんですね。10日に10円値上げ、さらに13日からは15円値上げしていく可能性があると話していて、中東情勢の悪化を受けて価格は上向いていきそうです。
そして、第一生命経済研究所・星野卓也主席エコノミストの試算では、もし原油価格が1バレル=150ドルに上昇した場合、ガソリンは222円に値上がりするとされています。
宮司愛海キャスター:
かなり打撃が大きいですね。
木村拓也キャスター:
今後も原油価格がずっと上がっていくのかなと思いますと、我々の直結している生活への影響ももちろん心配されます。ただ一方で、9日に発表された物価の変動を反映した1月の実質賃金が、前の年の同じ月から1.4%プラスになっています。つまり、物価上昇よりも賃金が上回ったということになります。
物価についても見ていくと、3月に予定される食品の値上げが前の年に比べて7割減少しているんです。つまり、値上げが一服する傾向が強まってきているといえます。
その賃金と物価の今後の影響についてですが、智田裕一解説副委員長によりますと、物価について、このまま株価や原油に大きな影響を与えている中東の戦争が長期化した場合、まず、現在も値上がり傾向のガソリンがさらに上がっていく可能性があります。続いて、夏頃に電気・ガス代が上がってきて、さらに数カ月から半年をめどにプラスチック容器や包装材などをはじめ、原油由来の様々な製品が値上がりし、食品など幅広い商品が値上がりしてくる可能性があるということです。
宮司愛海キャスター:
影響も大きそうで大変不安になりますが、具体的にどのくらい私たちの生活に影響があるものと考えられますか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
もしこの先、原油価格が1バレル=150ドルまで上昇してしまった場合、物価が0.75%押し上げられ、消費が0.77%落ち込むという試算があるんですね。つまり、物やサービスの値段が上がる中で消費にお金を使う額が減っていき、物価高が続いて消費が振るわなくなり、景気が押し下げられる可能性が出てくるということになります。
宮司愛海キャスター:
こう考えると政府による物価高対策待ったなしですし、即効性のある経済対策が求められそうですが、その辺りいかがでしょう?
SPキャスター・岩田明子さん:
今のところはまだ、マーケットを注視してやる時にはやるという構えですが、補助金の上乗せなどそういったものはオプションの1つとして当然入ってきますが、まだそれを表明するタイミングではないという考えです。まずは停戦に向けた働きかけをしていく。これが長期化しないということが前提条件になってきますので、外交努力も引き続きやっていくということになります。
宮司愛海キャスター:
もうすぐ日米会談もありますから、かなり大切になりそうですね。
最後に、今ちょうど春闘も行われていますが春闘の結果に影響は出ないんでしょうか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
もしこの先、景気が冷え込むリスクが高くなれば、経営者は賃上げにお金を回すのに慎重になって様子を見ようということになりかねないんです。なので、物価高がようやく一服してせっかく賃上げが物価上昇に追いついて超える状態になってきたところですが、その状態が本当に定着するかどうか、すごく重要な局面になってきたんじゃないかと思います。
宮司愛海キャスター:
かなり不安定ですがこれから先、トランプ大統領のひと言でまた市場が動いたりするわけです。そうすると私たちはどういうふうに日々の生活に向き合っていけばいいんでしょうか?
フジテレビ・智田裕一解説副委員長:
賃上げで、自分の属している会社がきちっと賃上げに向けて動いていくかどうかを見て、それで消費にお金を回せるかどうかを見ていく必要があると思います。