高岡市議選で3800票超のトップ当選を果たした植野佳奈氏を中心に、出町市長を支持する会派「高岡愛」が躍進した。これまで自民党の最大会派「同志会」が圧倒的勢力を保ってきた市議会の勢力図に変化が生じている。

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出町市長の選挙スタッフから市議へ、植野氏がトップ当選

今回の高岡市議選では、6月の高岡市長選で初当選した出町市長の選挙スタッフを務めた植野佳奈氏が、唯一3800票を上回る得票でトップ当選を果たした。植野氏は告示の1カ月前に突如出馬を表明。前回市議選でトップ当選し、その後県議に転出した嶋川武秀氏の妻でもある。

「とてもいい流れが来るのではないか、市議会の景色も変わるのではないか。私も出町さんも高岡愛もみんなニコニコで…」と植野氏は当選の喜びを語った。

「高岡愛」躍進で代表質問権獲得へ

「高岡愛」は前回市議選後に結成された自民系の会派で、当時市議だった出町市長と嶋川氏、熊木義城氏の3人で発足。2人が転出した後に林貴文氏が合流した。

今回の選挙では、再選した熊木氏と林氏に加え、初当選の植野氏と塚本政彦氏が合流する見通しで、会派は4人以上となる。これにより、これまで自民党の最大会派が独占していた本会議での代表質問権が得られる躍進となる。

政活費不正の再起組と共産党候補が惜敗

矢後氏の選挙事務所 26日 高岡市内
矢後氏の選挙事務所 26日 高岡市内

一方、2016年に政務活動費の不正で議員辞職し再起をかけた国民民主党の中山欣一氏は34票差で落選。同じく政活費不正で県議を辞職し、引退する自民党市議の後継として立候補した矢後肇氏も及ばなかった。

前回市議選で議席を失った共産党の高瀬充子氏も、わずか1票差で議席奪還ならず。立憲民主党も今回議席を失った。

会派結成を巡る水面下の動き

選挙後の27日、最大会派「同志会」の幹部が早速「高岡愛」の控室を訪れた。

同志会の水口清志会長は「一緒にやりましょうという話です」「同じベクトルで高岡市を考えていきたい」と会派合流を持ちかけた。曽田康司幹事長も「同じ自民党だから2つに分かれているのは市民は望んでいない」と語った。

これに対し、高岡愛の林貴文会長は「一部の狭いところで話をして、知らないうちに決まっているということではない進め方をしていきたい。それがまた出町市長が考えるチェンジの一つになる」と述べ、慎重な姿勢を示した。

7月に誕生した出町市政。当局と対峙する市議会の構図を巡って水面下の動きが激しさを増している。

(富山テレビ放送)

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